ヘカテーによる絵画解説
私はヘカテー。世界の傍観者。
つまらない話でもよろしければ、あなたが先ほど見た絵画について語りましょう。
あなたが先ほど見た肖像画たちは、これから語られる物語たち、その登場人物たちを表しています。
生贄にされた男は、3人の仮面を被った人物たちによって、病が明かされるのです。
そして、黒雷の鬼神の仮面によって、亡者の仮面群は一掃されるのです。
仮面に封じられている妄執や高官たち、女王までも同じ結末を辿るのです。闇に堕とされるという結末に。
そして、雨が振り注ぐのです。雷の後の雨のように。
残酷な話だと思いますか。そんなこと知ったことではありません。
私はただ世界を傍観しているに過ぎないのですから。
見る人がどんな印象を抱いたとしても、すでに絵画として描かれている以上、変わることは無いのですから。
医療が下す診断の前には、誰も抗えないのです。健康だと思っていても、進行している病を否定することができないのと同じように。
幾重にも張り付けられた仮面は、表層では平気にさせられても、深層では確実に病魔は進行しているのです。それに仮面を被せて、目を背き続けていた。それが暴かれるに過ぎないのですから。
あなたは今、どんな仮面を被っていますか。どんな仮面であったとしても、私にとって知る由も無いのですから。
つまらない話だったでしょう。あなたがどんな感想を抱いたとしても、私にはどうでもいいことなのです。
私もあなたも物語を傍観するしかないのですから。
定められた結末へと眺めていくことしかできないのですからーー。




