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6.その姿は血の繋がりがなくとも仲の良い姉妹そのものだっただろう(SIDE:アーデル)

本編というか、アーデルの過去話。そして……

 ※ 読む前の注意点


 サブタイトルに(SIDE:〇〇〇)と書かれている話は基本的にその〇〇〇キャラ視点で語られます。

 よって、視点キャラが知りえない情報は開示されません。

 また、真実でない情報も視点キャラが真実と思い込んでれば、真実のように語られます。

 その点を十分考慮して、お読みください。






 アーデルはフランクフルト王国最東端の辺境地と国境を守護するアルム辺境伯の長女として生まれた。

 家族構成はアムル辺境伯当主である父ロンケンと政略ではなく純粋な恋愛の末に結婚した平民出身の母ユリアと年の離れた兄が4人。アーデルは長女であると同時に末っ子でもあった。


 アムル家は親を亡くしたり訳ありで捨てられた多くの孤児を引き取って家族同然に迎え入れても、アムル家直系の子どもは男だけ。長年新たな子どもが生まれず、もう打ち止めと思われた矢先に生まれた娘。

 男だらけの環境下で年離れた女の子の誕生だ。家族の喜びはそれはそれは半端なかっただろう。


 アーデルは家族からこれでもかというぐらい溺愛されて育ち、アーデルもその過剰な愛情を家族だけでなく家族同然に暮らしていた孤児や領民にも分け与えるかのようにして育った。


 その中でも特に可愛がっていたのはアーデルの一つ下となるクラーラである。

 彼女は生まれながらの奇病持ちだという事を示すような、全身奇怪なあざだらけの醜い赤子であったため、生まれた直後に親から捨てられたのだ。


 それを不憫に思った産婦がこっそりと赤子をアムル家に托し、辺境伯はあらゆるリスクを全て理解した上で快く養子へと迎え入れた。


 当時のアーデルはクラーラが国王と側妃との間に生まれた、王位継承権を持つロイヤルな生まれだと知らなかったが、事実を知った後でも決して色眼鏡で見る事なくクラーラをただの義妹として可愛がった。


 凄腕の薬師だった祖母の知識と技術を受け継いでいた母ユリアの懸命な治療の甲斐あって生き延びる事はできても、障害は残ったまま。満足に歩くことすらできないベットの住民であるクラーラのために外で取ってきた花や虫を持ち込み、時にはクラーラを背負って野山を駆け回る程に可愛がった。


 その姿は血の繋がりがなくとも仲の良い姉妹そのものだっただろう。



 アムル家は辺境という土地柄、王国中枢でのごたごたには関わる事をしない中立の立場。

 国王の隠し子という爆弾こそ預かっても、両親はアーデルとクラーラを政略に使う駒として扱わず、自分自身で生き方を選べるように育てていたが……



 情勢がそれを許さなかった。




 アーデルが10歳の頃にブリキッテ王妃からデルフリ王太子と婚約するよう王命が下されたのだ。


 王命の意図は、求心力の衰えた王家に中立ながらも侮れない力を持つアムル家を取り込んで盛り返そうとするものだった。



 王妃としては藁にも縋る想いがあるのだろう。


 なにせアーデルが生まれるより前の世代、30年前に王家はとんでもないやらかし……


 当時の王太子が婚約者を学園での卒業式で冤罪による断罪からの婚約破棄を宣言。その場で処刑するっとばかりにへと斬りかかり、とっさにかばった婚約者の兄を代わりに斬り殺してしまう大事件が発生していたのだ。




 卒業式という祝いの場で王太子自らが刃傷沙汰を通り越した殺人行為。


 本来ならとんでもない事態であろうとも、当初は王太子もその取り巻きも……さらにいえばその親達も事態を楽観視していた。


 適当な理由を付け、婚約者側に非があるよう仕向ければどうとでもなる。

 王家の権力を使えば場は収まるだろうっとのんきに考えていたが……そうは問屋がおろさなかった。


 王太子の婚約者は王国ではなく同盟国出身。フランクフルト王国なんて取るに足らないほどの大国。戦争なんてしようものなら王国を鎧袖一触で踏みつぶせるほどの軍事力を持つクールーラオロウ帝国の第四皇女だったのだ。



 そして、斬り殺した兄はクールーラオロウ帝国の第一皇子であり、次期皇帝でもある皇太子。


 つまり、王太子は同盟国であり世界有数の大国でもある帝国の皇太子を妹の卒業式という祝いの場で斬り殺したのだ。


 これだけで当時の王太子達はどれだけやらかしたかわかるであろう。

前世代の王太子はなろう史上稀に見るとんでもないやらかしを行ってました。


っというか、これ以上にひどいやらかしってあるのだろうか……?

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