5話 冒険の準備完了!
カンテラを持って地下室に向かった。でもおばあちゃんが残してくれた宝箱から淡い翡翠色の光が放たれていて、暗いはずの地下室は不思議とほんのり明るかった。
「わっ! なんか宝箱が光ってるよ?!」
「ミミミィ! ミィ~!(ほんとだね! きっと、リリティの旅立ちが決まったから祝福してくれてるんだよ!)」
どうやら本当にわたしの旅立ちの日が訪れたようだ。おばあちゃんはこうなることをわかっていて、わたしに宝箱を残してくれたのかな?
期待に胸に膨らませて、わたしは宝箱に近づく。
「い、今までこの宝箱が光るなんて無かったから、ちょっと緊張するなぁ。……本当に開けても大丈夫なんだよね……?」
「ミミミ、ミィ~! ミミミミミ!(大丈夫、この宝箱からはやさしい魔力しか感じないよ! きっと凄いアイテムが入ってるんだよ!)」
「そ、そっか。……じゃあ、空けるよ!」
わたしは意を決し宝箱を空けた。するとそこには、桃色を基調にした可愛いワンピースが入っていた。ちょっとガーリーで派手なデザインだけど、貴族御用達の高級ブランドの服と言っても誰も疑わないだろう上等なワンピースだ。
「……うわ~! 可愛い……!」
「ミミィ~! ミミミミミ! ミミ、ミミミィ~、ミミミミミ!(これは凄い! この服、強い結界魔法で守られてるよ! 多分、ちょっとやそっとの攻撃じゃ破れないし、破れても時間が経てば自然と元通りになる優れものだよ!)」
「そうなの?! それは凄いや!」
可愛いうえに防御性能も高いなんて、素敵だよ~! おばあちゃん、こんな凄い服を残してくれてありがとう!
「あ、まだ何かある。……これは、ネックレスかな?」
宝箱の底には、もうひとつ、凄い魔力が込められているっぽいネックレスが入っていた。先っぽには、笛みたいな杖みたいな不思議な形の装飾が施されている。
「ミミミ、ミィ~! ミミミミミ。ミミ、ミィ~!(これ、オリハルコンでできているね~! しかも相当強い魔力が込められてる。多分、ドラゴンの灼熱の息を受けても溶けないよ!)」
「そんなに凄い物なの?! で、でも、なんに使うんだろう?」
使用方法はわからないけど、おばあちゃんが残してくれたアイテムだ。きっと、とんでもなく役に立つに違いない。
わたしは早速、その可愛いワンピースに着替えて、不思議なネックレスも装備した。
「じゃじゃ~ん! この服、ほんとにすっごく可愛いね!」
「ミミミィ~! ミミ! ミミミミミィ!(うんうん! 凄く似合ってるよ! どこぞのお嬢様みたいで可愛い!)」
旅人っていうより派手好きなお嬢様だけど、まあすごく可愛いし、やる気出てきたからいいか!
「よお~し! それじゃあ、大魔女エリクシアを倒す旅、出発するよ~!」
「ミィ~!」
こうしてわたしは、ノリで大魔女エリクシアを倒す旅を始めたのだった。
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