表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル0のイレギュラー  作者: 椋鳥 未憐
第二章 椿姫
69/132

Level.66『まつろわぬ蛇の末路』




 赤い瞳のモンスターが出現した、その数十分前。


 廃工場の敷地を、月の光を頼りに走る影がひとつ。


「あーあ。椿姫に加え、月姫まで駆けつけられちゃ、チーム我沙羅も終わりでしょ」


 夜闇に紛れるような、不派手な黒服(ブラックコート)を身に纏い、フードの隙間から風に揺られ、地味な服装とは対象的な金髪と、狡猾な蛇の目がちらちらと月光に煌めく男。


 チーム我沙羅のメンバーのひとり、伏見である。


「わざと防犯カメラに映ってアジトまでの痕跡を残したのは失敗だったかな? 月姫まで来ちゃったのは少し誤算だったよ。おかげで能力まで使うハメになるとは」


 闇夜に向かって独り語ちる伏見が肩を落とす。


 しかしそんな仕草とは裏腹に、伏見の顔に後悔や未練といった負色はまったくと言っていいほど見当たらない。


「正直【黒鬼】漆木 哲也と【双夜叉】梁取 葵の戦いの結果はちょっと気にはなるけど、俺もそこまでリスクは犯せないし」


 漆木が椿姫に戦争を仕掛けようとした時点で、いずれこうなる未来は見えていた。

 それと同時に、伏見はチームに見切りをつけていた。


 疑念を持たれぬようタイミングを見定め、板谷 楓との戦いに敗北したフリをして、追手を欺きまんまと逃げ仰せることには成功したものの、しかしそこから先はほとんどノープランと言っても過言ではない。


「これで本来の目的もおじゃんかぁ。ほんと、ツイてないなぁ。手ぶらで帰るわけにもいかないしさぁ」


 どこまでも軽薄な笑みを口元に湛えながら、伏見は笑った。


「何だかんだ楽しかったけど、ここらが上手な引き際かなぁ」


 第一に考えるべきは自らの保身。

 そんなことを考えながら、伏見は廃工場を抜ける。

 近くに敵の存在は感じられない。

 遠くから警察のサイレンが近づいているが、廃工場に到着するのは伏見がタクシーに乗った後だろう。


「これからどうしよう、九州辺りにでも潜ろうかな」


 廃工場の敷地の外に広がる大阪湾を眺めながら、伏見はほくそ笑んだ。


 物音の消えた沿岸部。

 夜の冷えた静寂の中に、倉庫群に反響して伏見の靴音だけが辺りに木霊する。


 全てが計算通り。

 後は大通りまで行き、雑多に紛れるだけだ。

 しかし――、


「――」


 いつの世も、完璧などという現象は存在しない。

 計算を覆すのはいつも『イレギュラー』の存在だ。


 伏見は歩みを止めた。

 前方に広がる巨大な大阪湾。

 コンクリートで舗装された、沿岸の通路に、男が立っている。


「そんなに急いで、いったいどこへ行く気だ?」


 まるで伏見の歩みを阻むかのように。

 あたかも伏見がここへ来るの予見していたかのように。

 黒ずくめのスーツを着た巨漢が、伏見の前に立っている。


「あらら、……これは驚いた」


 スーツから浮き出て見える筋肉質のガタイ。

 漆木よりも目線ひとつ高く、身長は2メートルほどもあるだろう。

 どこからどう見てもカタギの人間ではない。


「こんなところで会うなんて奇遇ですね。どうしたんです、折痣(おるあざ)さん。もしかして出迎えですか? ははは、ぼくも出世したもんだなぁ」


 普段通りの口調で軽口を叩く。

 だがその伏見の表情はいつにも増して硬い。

 当たり前だ。

 【黒鬼】漆木 哲也が霞むほどの存在感。

 ただそこにいる、というだけで肌に感じる凄まじいほどの威圧感。

 伏見は、今この場で最も会いたくなかった男と遭遇してしまったのだから。


 伏見は思考する。

 なぜここに彼がいるのか。

 偶然か? いやそんなわけはない。


「偶然、奇遇、奇跡。俺がこの世で最も嫌う言葉だ」


 目の前の男は誰よりも規律を巡視し行動する。

 それはこの男に限ったことではなく『組織』の幹部は一部を除いて皆当てはまる。

 そのことを考慮すれば、この男に限って"たまたま偶然通りかかっただけ"などということはない。

 

 まさか伏見の謀反が露見したのか?

 いいやそれは考えづらい。

 ここに来るまで最善の注意を払っていたはずだ。

 それは逃走計画だけでなく、報告書や年に数回の密会に至るまで、全てに置いて当てはまる。

 万が一伏見の謀反がバレていたと過程しても、いつ伏見が裏切るかなど予想できるわけがない。


 考えれば考えるほどに沼にハマる。

 どうする?

 第一に考えるべきはこの場を凌ぐこと。

 ならばここは伏見の得意な弁舌で乗り切るしかない。


「奇遇、ではないのなら、ここへはいったいどうして? いや、そんなことは些細な問題でしょう。それより折痣さんに報告しなければならないことがあります。ぼくが潜入していた我沙羅の件ですが」


 黒服の男――折痣は伏見の報告を無視し、無表情のまま静かに言った。


「その軽い口を閉じろ。ボスの御前だ」


 言葉の直後、伏見の背後で「カカ」という陽気な笑い声が聞こえた。

 伏見はすぐさま背後を振り返り、戦慄した。


「――」


 振り向いた先に、ひとりの老人が立っている。


 伏見よりも背の小さな老人――といっても見た目は五十路を過ぎた辺りの男。


 最大限の緊張感が伏見の五体を支配する。

 その姿を視界に入れるまで、気配がまったく感じ取れなかった。

 見た目は気さくな好々爺のような容姿。

 しかし中身は別物だ。

 まったくの別物だ。


「……なぜ」


 浮かんだ言葉がそのまま、伏見の口から溢れる。


「……なぜ、あなたが」


 想定外の人物。

 折痣でさえ伏見の格上。

 加えてボス(・・)までいるとなれば話は違ってくる。

 絶望的だ。

 状況は限りなく。

 これ以上ないほど最悪に近い。


「なぜ、ねぇ?」


 ボスと呼ばれた老人が薄く笑う。

 楽しそうに微笑する。


「そりゃあ決まってんだろうよ、おめぇさん。たまたま偶然ってやつだぜ?」


 ぴくり、と折痣の頬が動く。

 構わずボスは続けた。

 

「久しぶりじゃねぇの? 元気にしてたかよ。つか、見ねぇ間に痩せたんじゃねぇの。青い顔してるぜ?」


 それはアンタのせいだよ、という言葉を無理やり飲み込んで、伏見はできるだけ無礼のないようボスの声に応える。


「……珍しいですね、ボス。まさかボスがこんな場所まで足をお運び下さるとは思ってもみなかったもので」


「まぁな。むかし大阪で食ったお好み焼きが無性に懐かしくなっちまって。本当は俺ひとりで来るはずだったんだが、折痣(そいつ)がどうしてもついてくるって聞かなくてよぉ」


「ボスを御一人にすることなどできません」


「カカッ! この通りだ。ガキならまだしも、俺ァ今年で58のジジィだぜ? 勘弁してくれって、なぁ?」


「ははは、大変ですね」と伏見の愛想笑い。


 ボスは「ほんとに大変だぜ、ったく」と億劫そうにため息をついて、


「そういや話は変わるが、おめぇさんさっき我沙羅がどうとか言ってなかったかい?」


 なに気ないボスの質問。

 急激に会話の温度が下がったのを伏見は知覚する。

 乾いた喉を唾で潤し、伏見は慎重に言葉を選ぶ。


「ええ、それなんですが。つい先ほど我沙羅のアジトの存在がバレ、クラン椿姫と月姫の精鋭が攻め込んできまして……」


「ほほォ、そりゃ一大事じゃねぇかよ」


「そうなんですよ。どこからアジトの情報が漏れ出たのやら、例の計画にも影響しかねませんし」


「なれば尚更、貴様はなぜここにいる。まさか早々と尻尾を巻いて逃げてきたわけではあるまい」


「お恥ずかしながら……申し訳ありません」


「そう言ってやるな、折痣。可哀想じゃねぇか。仲良く行こうぜ? 椿姫の【櫛刺姫】と月姫の【花魁】相手じゃあ、ちと相手が悪ぃだろう」


 折痣の言及に対し、痛切の表情を浮かべる伏見を庇うような形でボスが会話に割って入った、――かのように思えたが。


「んでもって"そのままバックレようとしたところを俺らに見っかっちまうとは"本当についてねぇなァ。同情するぜ、おめぇさん」


 最初から伏見の目論見など全て見透かしているとばかりにボスが悪い笑みを浮かべた。


「バックレる? はは、なんのことでしょう」


 それでも伏見はしらを切り通そうとした。

 けれどボスの愉悦の表情を見て。これは何を言っても通じない相手だと経験から伏見は理解した。


「あーあ。なんだ諸バレかよ」


 わざとらしく肩を落として首を振る。

 それを見たボスは怒るどころかむしろその逆。「カカッ」と笑みを深めた。


「なんだなんだ、どうしたよ。もう降参か? まだ諦めるにゃ早ぇだろう」


「いやいや、ボスも人が悪い。泳がせるなら泳がせるで、もう少し上手く騙してくださいよ」


「カカッ、悪ぃ悪ぃ。そりゃあたしかに。おめぇさんがどんな言い訳を吐くのか楽しみだったが、泳げるとこまで泳がしてから詰めるのもなかなか面白そうだ」


「でしょう? ちなみにどこから俺を疑ってたんです? 定期連絡を怠ったつもりはないんですけど」


「ああ、報告書な。怠るどころか終始完璧だったぜ? 俺も読んだがなかなか見事な内容だった。その若さで第二者視点での俯瞰ができる奴ァ早々いねぇ。ウチの幹部にも見習ってもらいてぇところよ、と話がそれちまった」


 ひとしきり話したところで、ボスは自らの小さな顎に手を当て、親指と人差し指でなぞる。


「俺がおめぇさんを疑ってた理由だったか? まぁ、ぶっちゃけ感だな、おう。大阪の方でなにか面白ぇことが起きるんじゃねぇかっつぅただの予感よ」


「感、ですか」


 定義が徐で、釈然としないが『感』と言われればそうとしか他に思えない。


「説得力がないのにこれ以上納得できる理由がない。まいったな」


 不条理と思える事柄にも何かしらの理由がある。


 この場合における不条理とは即ち心象武装(オクトラム)の存在だろう。


 【予感】に纏わる心象武装の存在。

 

 ボスは能力者だが、その固有能力については『組織』の中でも知る者は数少ない。おそらく『幹部』を除いた構成員でボスの能力を知っているのはほんの一握りだけだろう。

 もちろん伏見はボスの能力を知らないその他大勢のひとりである。


「弁解の言葉があるなら聞くぜ?」


「弁解の余地があるのなら、精魂尽くしますが」


「ほほゥ、聞いてみてぇもんだ」


「よく言いますよ。最初から許す気なんてないくせに」


 ボスは楽しげに笑っている。

 どこまでも余裕の表情で。

 まるで胸の内を読まれているようだ。

 弁舌には自信のあった伏見だが、心理戦に置いて目の前の老人に勝てる気がしないのはそうせいか。


「俺が許してもほれ、折痣(そいつ)が許さねぇだろう。他に示しをつけるためにも、ケジメはしっかりつけてもらわねぇとなァ」


「ケジメですか。それって小指一本で足ります?」


「カカッ、今どき指詰めなんていつの時代の右翼だよおめぇ。ドラマの見すぎだぜそりゃあよ」


 可笑しそうにボスは笑った。


「ケジメってぇのは言い換えりゃあ誓いだよ。もう二度と馬鹿な真似はしねぇって思えるように、そいつにとっての一番大事なモンを取り上げてやんのよ」


「一番大事なもの、ですか。精神的に恐怖させた方が効率的では? 拷問や調教、その手のプロなら『組織』に多いでしょう」


「カカッ、分かってねぇな。最近の若ぇ者は効率効率と、どいつもこいつも同じ言葉を吐きやがる。急がば回れっつうことわざを知らねぇようだ」


 ボスはわざとらしくため息を吐いた。


「俺ァよォ、暴力は嫌いなんだ。できるなら話し合いで解決してぇじゃねぇか。それで相手さんが納得してくれんのならそれに越したことはねぇ。無駄な争いを起こさずに済む。仲良くいきてぇじゃねぇか。なぁ、おめぇさんもそうは思わねぇかい?」


「ええ、仰る通りですボス。言葉で解決できるのなら、たしかにその方がいいとぼくも思いますよ」


「だろう?」


「はい」


 伏見は頷いた。

 言葉で解決できるのであれば本当に、それに越したことはない。

 けれど――。

 伏見は知っている。

 そんな都合のいい話しなどないことを。


「かかッ。そう言ってくれると思ったぜ。ところでおめぇさん、女を苛めるのが趣味だそうじゃねぇか」


 肩を揺らし、ボスは満足気にそう言った。


「趣味……まぁ、嫌いじゃありません、が……」


 ボスの質問に応えかけた伏見の言葉が止まる。

 唐突な違和感を覚えた。

 それはまるで、突然うなじを舐められたような、きみの悪い感触。

 なぜボスは、伏見の性癖を知っているのか――。

 その反応を面白がるようにボスは笑い、こう続けた。


「男として死ぬか、男のまま死ぬか、好きな方を選んでくれ。それで今回の件は手打ちとしようじゃねぇか」


 伏見の脳裏を先ほどボスが口にした言葉が蘇る。


『そいつにとって、一番大切なモンを取り上げる』


 命を惜しみ、男として死ぬか。

 尊厳を保ち、男のまま死ぬか。

 どちらを選んでも伏見は死ぬしかない。

 性根の腐った最悪の2択に、思わず伏見の口から本音が漏れる。


「はは、ほんと。許す気なんてさらさらないじゃないかよ、この狸ジジィ」


 言葉の直後、折痣が動く。

 度の超えたボスへの態度に目を剥き、気配を一変させた折痣が拳を握っていた。


「ボスへの不敬、決して許さん。死ね」


 背筋が底冷えしそうなほど冷たい声。

 同情や理性などを一切持ちえない氷点下の瞳。

 握られた折痣の拳が伏見ごと地面を粉砕する。

 ズンッ、と地鳴りが響き、海が揺れる。


「む」


 折痣は薄く眼を開いた。

 振り下ろした拳に手応えがない。


 次瞬、濛々と上がる土煙の中から、数百匹もの白蛇の群れが突如として湧き上がる。


「シュルルルッ」

「シャアッ、シャアッ」


 瞬く間に大地を白い鱗が埋め尽くす。

 地を飲み込むこの白い蛇こそ、伏見の奥の手心象武装(オクトラム)『千殍白蛇』。

 板谷 楓との戦闘で使用していたナイフは麻痺性の毒を塗っただけの心象武装に見せかけた偽物(ダミー)。組織や我沙羅の面々にさえ隠し通してきた切り札を伏見はここで切る。


「小賢しい心象だ。蛇に紛れて逃げ仰せるつもりか」


 折痣は終始冷静だ。

 蛇の大群を目の当たりにしてさえ顔色ひとつ変わらない。


「だが逃さん。一匹残らず殲滅するまで」


 そう言って再び拳を振り上げる折痣を、


「――やめときな。何匹いやがると思ってる、ったく。脳筋かテメぇはよォ」


 ボスがため息混じりに手を上げ制した。


「てめぇの破壊(それ)も計算尽くだぜ、まったくよォ。ここまで先を読んでやがるとは恐れ入る。若ぇのにほんと大したもんだぜ、カカッ!」


 地面を飲み込む白蛇の海。

 四方八方へ広がり逃走を図る白蛇群の中から、本体を探し出すのは骨が折れる。

 この場にいるのが折痣だけだったのなら、難なく伏見はこの場から逃げ切っていたことだろう。


「惜しいねぇ。おめぇさんのような有能な部下を失うのは。男を捨ててでも生きるべきだった。ほんとに惜しいことよ」


 ボスは懐から1本の小刀を取り出した。

 人差し指と中指で刃を挟み、音もなく投擲。

 小刀は夜闇を切り裂き一直線に飛翔する。


 ボスから見て舗装路の右端の暗闇。

 まさに今、暗海へと飛び込もうとしていた一匹の白蛇の脳天を、ボスの放った小刀が狙い違わず貫いた。


「ひゅ」と小さな悲鳴が白蛇の喉から漏れる。


 それで、終わりだった。


 大地を埋め尽くす白蛇の大群が消滅し、小刀が頭に刺さった金髪の男がその場で息絶えている。


「お見事です、ボス」


 既に呼吸の途絶えた男の屍を横目で確認し、折痣は瞼を閉じて畏敬の念をボスに捧げると、


「ケッ、見事なモンかよ。またひとり、有能な部下を失ちまったとこだってのに」


 ボスは残念そうに両手をぷらぷらと振って応える。


処理(バラ)します。しばしお時間を」


「いい、いい、七面倒くせぇ。そのまんまにしとけ。どうせ身元不明の死体で片付けられんのが関の山よ。んなことよか俺ァお好み焼きが食いてぇ」


「例の件。我沙羅のアジト。赤目の灰神の存在確認はどうなされますか?」


「どうもこうも、今あそこにゃ椿姫と月姫がいやがんだ。タダで通しちゃくれねぇだろうよ」


「ボスの御命令とあらば切り込みますが」


 真顔で折痣がそんなことを口にする。

 言いかえればそれは、今この場で〝椿姫〟と〝月姫〟相手に戦争を仕掛けるといっているようなものだ。

 とても正気の沙汰とは思えない冗談だがしかし、折痣が冗談を言う男でないことをボスは知っている。


「バカたれ! てめぇが暴れたんじゃあここら一帯が更地になっちまうだろうが!?」


「? ……何か不都合でも?」


 折痣が首を傾げた。

 ボスの命令があれば、折痣は本気で椿姫と月姫相手に単騎で特攻をしかけるだろう。


「不都合に決まってんだろうがっ! お好み焼きが食えなくなっちったらどう責任取るつもりだてめぇ!」


「……なるほど、確かに」


「ったくこの脳筋が。それに、知ってんだろう? 俺ァ争いが嫌いなんだぜ? できるなら円満に。穏便に仲良く行きてぇじゃねぇか? わかったらお好み焼き食いに行くぜ」


「了解しました。ですがボス」


「なんだ、今度はどした?」


 ボスがうんざりしたような顔をすると折痣は、


「いえ、出過ぎたことを言うようですが。この時間帯にお好み焼き屋はやっていないかと……」


 見上げれば、闇夜の空には大きな月が浮かんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ