第2夜.予感
その日、朝から俺はなんだか予感めいたものを感じていたんだ。
「おい、朔夜ぁ。今晩ヒマ?」
ピアノの練習もひと段落ついて、ちょうど休憩しているところだった。
突然、自宅の電話が鳴り、高校の頃からの悪友が誘いを持ち掛けてきた。
「おー。ヒマだけど?飲むのか?」
こいつを含め、俺とあと2人いる学生の時のメンバーで月1回の頻度で飲みに行く。
今日のもそれだと思ってホイホイと承諾した。
◇
「お、来たな!朔夜ー。こっちこっち。」
集合場所はいつもの小汚い居酒屋じゃなくて、ちょっとお洒落なイタリアンレストランだった。
ちょっと家を出るのが遅くなって10分ほど遅れそうだったのに加えて、渋滞に巻き込まれて結局30分くらい遅れて到着してしまった。
しかしなんで今日は珍しくこんな洒落た店なんだ?
不思議に思いつつも深く考えずに店に来てみると、なんとそこには俺の悪友たちと、
「え・・・・・・?」
・・・・・・女の子がいた。
くそっ。
ヤツに嵌められた・・・。
これって完璧に合コンじゃねーか!
「きゃーっ!こんにちはぁっ!はじめましてっ」
「どうぞ、座って座ってー!朔夜さんって言うんですかぁ?」
テ・・・テンションが高い・・・・・・。
高すぎて全然ついていけねぇ。
「はじめまして。詩藤 朔夜です。」
俺は主犯格であろうヤツを睨みつつも、この場の空気を壊さないように自己紹介をすませた。
女の子が嫌いなワケじゃない。
それなりに恋だってするし、体の関係を持つことだってある。
ただ、こんなキャピキャピしてて煩いのは嫌いだ。
なんつーか、鬱陶しいんだよな。
己の男を見せびらかして、ステータスだと考えそうな女。
はぁー。うぜー。
こんなことを考えていると、テーブルの端で一人ぽつんと座っている子が目に入った。
見たところ、会話にも積極的には参加しようとしていないようだ。
ちょうどその時、その女の子の隣に座ってたやつが席を立ってどこか行った。
トイレにでも行ったんだろう。
そろそろうんざりしていた俺は、相変わらずキャピキャピの女たちが質問攻めしてくるのを適当にあしらって、しれっとその子の隣の席に移動する。
「隣、非難させて。」