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dolce.  作者: 緋天
22/24

第20夜.週末の余韻



今回の週末は怒涛の一言につきた。


金曜の仕事中までは平凡な週末になるはずだったのが、退社直後に“田中君”こと田中(タナカ) 浩輔(コウスケ)に絡まれ、慌てて行った詩藤さ・・・、朔夜さんとのお食事ではぐてんぐてんに酔っ払っちゃうし・・・・・・。

そして、なにより土曜日。

寝起き直後に、まさかの詩藤・・・朔夜さんからの告白で。


うふふ。


なかなか腕の中から出してもらえなくて、結局一日中ベッドの中でまどろんでいた。


週末最後の日曜日は、二人でいっぱいお話をした。

家族のこと。

仕事のこと。

趣味、好きな食べ物、休日の過ごし方。

本当に他愛のない話だったけれど、お互いのことを知る良いきっかけになったと思う。



そうそう、詩藤さんって実はピアニストだったの!



前にバーで演奏を聞かせてもらったときは、それはもう、素晴らしすぎて感動したけれど。

まさか本職の方だったなんて。

結構なんでもそつなくこなしている印象があったから、これは勤め先なんかではきっと頼りにされているんだろうな、なんて勝手に想像していたから余計に驚いた。


でも、聞いて納得。


一緒にいる間、やっぱり練習もしなくちゃいけないから、ピアノを聴く機会があって。

その時の詩藤さんたら、ほんとに楽しそうにピアノを弾くの。

すごく、やさしい音色で。

私も幼い頃少しだけピアノをかじっていた事があるから、多少の音の違いくらいはわかる。

詩藤さんのは、そうね、木漏れ日みたいな音。

きらきら輝いていて、でも夏場の太陽みたいに鋭さを感じさせない、安らぎを感じさせる音。


ずっとずっと音を聞いていたくて、彼の座るピアノの椅子の脚元がすっかり私の定位置になってしまった。




・・・・・・それにしても。

まさかこんなことになるとは、金曜日には思いもしなかった。

今日の食事でもっと詩藤さんのこと知りたいな、きゃはっ、なーんて感じだったのよね。


現状を省みて、思わず顔がにやける。



「こーら、メイ!そのにやけ顔、どうにかしなさいよ!女しかいない更衣室だからって、そんな腑抜けた顔するんじゃないの!」



私の隣で春花がそう言うほどに。





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