第19夜.キスの雨
R15ということで前回から今回までに情事があったことは匂わせておりますが、直接的な表現はしておりません。どのような内容で、どんな会話があったのかは読者の皆様のご想像にお任せしますので、拙い文章ですがどうぞお楽しみいただければ幸いです。
目が覚めると、詩藤さんの腕の中だった。
詩藤さんの顔を見上げると、まだ眠っているようで、その長いまつげが彼の切れ長の瞳を覆っている。
彼の整った顔を寝ぼけ半分で観察していると、不意に、その顔が恐ろしく艶かしい表情をしていたことを思い出した。
一瞬のうちに今朝の情事が脳裏によみがえる。
詩藤さんと、付き合うことになったんだ・・・・・・。
そう思ったけれど、どこかまだ夢の中にいるように思えて、自分の頬をつまんでみる。
「・・・いたい。」
痛い。
地味に痛い。
そんなに強くひっぱったつもりはなかったんだけどなぁ。
そんなことを一人でやっていると、不意に微かな振動を感じた気がして再び詩藤さんの顔を覗いてみた。
――――――――――っ!?
そこには、長いまつげに覆われていたはずの瞳をしっかりと開いて、必死に笑いをこらえている詩藤さんがいた。
「・・・くっ・・・」
おまけに、私の驚いた間抜けな顔がさらに笑いを誘ったらしい。
ついに堪えきれずに、顔を私の頭に埋めながらくつくつと笑い出してしまった。
「~~っ!だって、だって・・・・・・詩藤さんが・・・っ」
恥ずかしさのあまり自分でも訳の分からない言葉を口走る。
それでさらに詩藤さんが笑い出してしまうという、何とも抜け難い笑いのスパイラルにはまり込んでしまった。
◇
ひとしきり笑った詩藤さんは、私が拗ねて彼の腕の中から抜け出して抗議すると、最後にふぅ、と一息ついてやっと笑いを収めてくれた。
「詩藤さんったら、ひどい。そんなに笑わなくてもいいのに・・・。」
私がそう言うと、詩藤さんは再び笑うことを必死にかみ殺しているような表情で、ごめんごめん、と謝った。
「だって華音があまりに可愛かったから。」
そして、こっちが赤面するような言葉を恥ずかしげもなくさらりと言うのだ。
「それよりも、華音。また詩藤さんに戻ってる。さっきまでは甘い声で『朔夜』って呼んでくれてたのに。それに、ほら。こんなに肩を出してしまって。すっかり冷えてしまってるだろう?・・・・・・それとも、また俺を誘ってるのか?」
よく見ると、自分は裸の上に詩藤さんのぶかぶかのシャツを着ていた。
私が意識を失ってしまった後、身体が冷えないようにと彼が着せてくれたのだろう。
しかし、彼の服は私には少しばかり大きすぎた。
袖や裾はもちろん、首周りもぶかぶかなのだ。
シャツのボタンは留めているものの、大きすぎて片方の肩が外気に晒されてしまっている。
確かに、少し肌寒い。
すると、詩藤さんは私の思いを読み取ったのだろうか、ニヤリと妖しげな笑みを浮かべてこう言った。
「俺が温めてやるよ。なに、すぐに汗をかくくらい温かくなるさ。」
そして、言うや否や詩藤さんはスコール並の激しいキスの雨を降らせ、そして私を再びベッドに押し倒したのだった。
なんと、前回投稿した7月1日の一日のユニーク数が1000を超えるという驚くべき現象がおこりました。また、小説登録をしている恋愛遊牧民様のランキングで今までランク外もいいところだったこの小説が20番台にのってしまうという、なんとも信じがたいことがありました。こんなに拙い文章をたくさんの方々に読んでもらえて、とてもうれしく思っております。本当にありがとうございます。一日のユニーク数が1000、ランキングで20番台にのったから、と何をそこまで喜ぶのだ、とお思いの方もいらっしゃると思いますが、私にとって本当にたくさんの方が読んでくださっているという事実が小躍りをしてしまうほどうれしいことなのです。こんなに幼稚な文章ですが、これからもどうぞ温かい目で見守ってください。また、作者は非常に単純馬鹿なので、このように目に見える結果次第で執筆意欲が左右されます。ぜひぜひ感想・評価もお待ちしております。