表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
dolce.  作者: 緋天
20/24

第18夜.オオカミな彼



「詩藤さん・・・?」


驚いて名前を呼ぶと、それに答えるように絡まっている腕がぎゅっとしまった。

背後で、詩藤さんが私の肩に顔を埋めている気配がする。



「・・・行くな。俺のモノになれ。」



耳元で、そう甘く囁かれる。


詩藤さんの声は少し掠れていて、どことなく色っぽい。

シャワーを浴びてそのまま出てきたのか、しっとりとした感触の腕に、濡れた髪。

熱い吐息は私の耳を掠めて、身体をゾクリと震わせる。




うそ・・・。

『俺のモノになれ』って・・・。




思考停止状態に陥っていると、徐々に詩藤さんの唇がいろんな場所を食み始める。

頭の先からやさしいキスを降らせているかと思ったら突然、かぷり、と耳たぶを甘噛みされ、その瞬間、体中に電気が走った。



「・・・華音?」




畳み掛けるように、耳元で詩藤さんの艶かしい声。

好きな人にこんな風にされて、私はもうトロトロだった。




「・・・愛してる。・・・返事、ちょうだい?」




その間も詩藤さんはイタズラをやめない。

いつしかその唇は私の耳に舌を絡めていた。




ずるい。


相手に返事を求めておきながら、その返答を考える隙さえ与えてくれない。

こんなにも私はあなたに夢中なのに。

それでもあなたは私にはっきりと言葉で言わせようとするの?




「華音・・・っ」



切なそうな声音で私の名前を呼ぶ。

ぎゅっと私に絡まっている腕は、言葉以上にその想いを伝えているかのようだった。




「・・・私、も。」



漸くしぼり出せた言葉は、たったそれだけだった。

それでも、小さな小さな私の声は、しっかりと詩藤さんの耳にも届いていたようだ。



言葉を告げた途端、詩藤さんは私の身体を回転させて、文字通り、噛み付くようなキスを落とした。

深く、激しく、そしてとっても甘い、そんなキス。

玄関の真ん中に立っていたはずの私は、いつのまにかドアに寄りかかって上から覆いかぶされるようにして詩藤さんのキスを受けていた。

激しすぎるキスに私の膝は身体を支えきれず、カクリと折れた。



そんな私を見かねたのか、詩藤さんは口の中では舌を縦横無人に動きまわらせながら、器用に靴を脱がせた。

なんて器用な人なんだろう!

自分では抵抗する力さえも残っていなかったから、されるがままにしていると、

「華音も玄関よりスプリングの利いたベッドの方がいいだろ?」

なんて言って、抱きあげられてベッドルームまで連行されてしまった。




更新を二ヶ月も滞らせてしまって、申し訳ありません。

待っていてくださった読者の皆様、ようやっと、って感じですかね。

ちなみに、今話で完結・・・、なんてことはなく、これからストーリーが展開するって感じなので、どうぞこれからもお楽しみくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングに参加中です。もしよかったら、ポチっと押してやってください。励みになります。 【恋愛遊牧民R+】 [恋愛ファンタジー小説サーチ]
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ