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第96話:星の鼓動は愛11


「はっはーん?」


「ぐ……」


 なわけで、決闘はこっちの勝ちなのでフィーネは私の言うことを聞かないといけない。


「さてどうしてくれましょうか?」


「踏んでください!」


「お兄さんは平常運転ですね」


 スパンとハイキックを見舞います。


 ここはダイレクトストーカーの整備場。アンドロギュノスもオルトガバメントも……ついでにサクラナガン・ルージュも点検に回されています。整備班があちこちに奔り回り、東奔西走とでもいいますか。


「煮るなり焼くなりお好きにどうぞ……」


「声が固いですよ」


「うぅ」


 まぁここで全裸になれとは私の都合上でも言えないんですけど。


「ジュリアンは何かありますか? フィーネに命令したいこと」


「俺様はないかなぁ。フィーネに勝てたってだけでも勲一等」


「御機嫌でした。マイマスター」


 パペットもこっちを憧憬していまして。銀色の髪をキラキラと。


「トールはどうする気で?」


「嫌がらせする程度にしか思い付きませんねぇ」


「わたくしの体が目当てですの?」


「興味ないとは言わないけど性急に叶えるほどのことでもないなぁ」


「それと」


 何か?


「あの防御魔術はなんですの? わたくしの終焉剣を防御できる事象なんて聞いたことありませんわよ?」


「そうかなぁ?」


「僕も知らにゃいにゃ~。何なのアレ?」


「――千引之岩――」


 私の側面に話題の魔術を展開します。その障壁をコンコンとノックして解除。


「これですよね?」


「それですわ」


「端的に言って空間隔絶ですよぅ」


「くうかんかくぜつ?」


 私以外の全員がポカン。


「千引之岩っていうのは私の世界に伝わる神話の概念なんです。あの世とこの世を隔絶する封印の障壁。要するに世界を分かつ断絶そのものと言っても過言ではないです」


 伸ばした人差し指を教鞭の様に振るいます。


「多分終焉剣は対象と認識したものにしか効果を発揮できないはずです。そもそも斬っただけで物事が本当に終わるなら…………仮に振るった先の空間を終わらせられるのなら、まず以て無意味に空白で振っただけで終焉剣は世界を終わらせられる。地面を掠っただけでこの星が終わる。そうでしょう?」


「それは……まぁ……」


「つまり物事の沈静化。アジテーションに対する否定。たとえば炎なら鎮火。水なら蒸発。風なら凪で、雷なら散逸。多分一番相性が悪いのが土であるはずですぅ」


 生物なら死を与えるけど、既に在るモノを無かったことにするのは多分オーバードライブでもなければ不可能でしょう。


「じゃあ千引之岩は……」


「もともと活発化したモノではありませんしねぇ。半村良理論と師匠は呼んでいましたけど、ただ其処に在る空間を終わらせるのは、おそらくフィーネの実感では不可能でしょう」


「空間を終わらせる?」


「世界そのものを終わらせる威力を経ればまた違う気もしますけどねぃ」


 そこまで昇華できるかはフィーネの采配で。


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