表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/112

第90話:星の鼓動は愛05


 そんなわけで私はパペットを着せ替え人形にしました。ドレスやらメイド服やら色々着せて、最終的に私と同じゴスロリに落ち着きます。漆黒のフリフリドレスは黒髪の私だと悪役っぽいんですけど、銀髪のパペットだと薄幸の御令嬢みたいでぐうかわでした。


 そんな「二人はゴスロリ」的な感じで肩を並べ、ダイレクトストーカーの整備場に出向きます。私だけでも噂になるんですけど、さらに隣の銀髪の美少女が何なるやとざわめきも大きくなり申し。


「トール氏!」


 ヤクザキック。飛びかかってきた顔面を蹴り飛ばし、そのまま蹲るアルマの背中をグリグリと踏みにじります。


「ああ~ん」


「よくもまぁそこまで矜持を擲てますね。生きていて恥ずかしくないんですか?」


「トール様に踏まれ隊!」


「アルマ氏! 一人だけズルいですぞ!」


「我らも踏まれたいんだな!」


「トール嬢! 踏んでくれでおじゃる!」


 うんぬんかんぬん。


「マイマスターはお偉い人なのですね」


 いや違うから。たしかに人は踏んでいますけども。


「トール女史~」


「トール様~」


「トール氏~」


 で、こっちの気疲れも範疇に属さず、「踏んでくれ」とねだるお人よ。


「踏まれたいなら相応の覚悟を見せてください」


「脱げばいいにゃ?」


「ストリーキングに用はございません」


 頭の頭痛が痛くなる……と重ね言葉をするくらいの疲労感。


「それでそちらのご婦人は?」


「私の所有物ですよぅ」


「どうも。持ち主様に強いられる道具。パペットと申します」


「はぁ……。カワイイにゃ~……」


 で、可愛い物好きのアルマがウットリとします。いやいいんですけど。


「最高級品のオートマトンだにゃ。どこで発掘したので?」


「運命というバスチーユで」


 たんに巡り会ってしまっただけだ。


「こちらはストーカーのアルマ。いちおう男」


「ですか。よろしく御願いしますアルマ様」


「どうもにゃー。で、オートマトンを連れて何故此処に?」


「ストーカーになりたいんだってさぁ。私としても応援したくて、実物を見せようかとぅ」


「オートマトンがストーカーに?」


「無理だと思いますぅ?」


「魂が翻訳できないんじゃ……」


「ソフィアの顕現って意味でなら無理筋とは言えませんけどねぃ」


 実際にクォンタムギアにはその可能性があります。


「トール!」


「トール女史」


 そんなわけでアルマを踏みにじりつつ説明を加えていると、整備場にいるジュリアンとフィーネもこっちに気付きます。


「あれ? そっちのゴスロリは?」


「パペットと申します」


「お兄様の品を下げないでくださいます?」


「御本人が望まれているんですけど」


 嘆息。


「トール浮気?」


 むー。あからさまに対抗心燃やすジュリアンに萌え。


「可愛い女の子だって可愛い女の子は好きですよぅ」


「僕のことも好きにゃ?」


「お兄様は男でしょう」


 私も男なんですけど。


 フィーネが首に縄を付けてアルマを引きずり回します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ