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第85話:私の愛馬は凶暴です15


「――フレイムスフィア!――」


「――ウォーターブラスト!――」


「――クリスタルメテオ!――」


「――ライトニングスパーク!――」


「――ウィンドカッター!――」


 主に五種の魔術が私を襲います。


 火。水。土。雷。風。


 システム的にしょうがないとは言え、これらには例外もないようで。


「――千引之岩――」


 私の障壁魔術の突破は難しいです。基本隙間の神の観念を突破しないと空間隔絶は破れないんですけどね。


「――マテリアライズ!――」


 さらにストーカーまで混じる始末。霊魂武装サクラメントの行使。


「氷雪剣シリウスハイマー!」


 ゴウッと吹雪が展開されます。まぁ一応「寒いかな?」の範囲。多分ダイレクトストーカーに搭乗してスケールアップの法則に身を委ねれば周囲を凍り付かせる吹雪を具現できるのでしょう。自己認識を肥大化することで、認識と現象を肥大化させるのがダイレクトストーカーであれば。


 それでも単に個体での行使なら、まぁ偏に北風程度。


「雄雄雄雄ッ!」


 その氷雪剣シリウスハイマーが不気味に光ります。所謂霊魂武装なので魂の在り方に準拠するのでしょう。抗しがたい魔力と魅了が唯識にさらなる酩酊を与えます。


「ルァッ!」


 さらに吹雪が強くなると、粘性のある空気が踏まれ隊の隊員に纏わり付いて颶風と化しまして。


「あ、いかん」


「やっぱこうにゃるにゃー」


 ジュリアンとアルマが目を細めました。


「何かぁ?」


「思念の暴走だ。一度見たぜよ? 魔人化って奴だよ」


「ああ。あの」


 私を想うあまりに暴走した男子生徒が居ましたね。


 というと……。


「当然その過負荷はサクラメントにも及ぶ。オーバーブースト時にはダイレクトストーカーにも匹敵する威力を加算するんだぜ」


「よく滅びてませんねぇ。こっちの世界の人類って……」


「そのためにダイレクトストーカーがあるんだぜ」


 イケメンらしく不敵に笑って、ジュリアンは私にウィンクしました。


 やだ……カッコいい……。


 ことイケメンらしさで言えば指輪による幻術で男装しているジュリアンの方が私より上なんですよね。


「どうするので?」


「もちろん駆逐」


 グイと彼が私の首をリードで引っ張ります。


「特異点ならダイレクトストーカー呼べるしな」


 あ。そう言えば。


「――カモン! サモン! 衆妙之門! 呼べば応えよアンドロギュノス!――」


「――カモン! サモン! 衆妙之門! 此処に出でよサクラナガン・ルージュ!――」


 前から思ってたんですけど、その詠唱と宣言どうにかなりません?


 衆妙之門って私の世界ではアークに繋がりかねないんですけど。


 まるで陽が落ちたようにジュリアンとアルマの影が広がると、その暗黒から現次元的なダイレクトストーカーが現われ、地面からせり出すと、その掌に私たちを乗せます。


「本当にやってくるんだからなんだかなぁ」


「ほら。乗るぞ。アルマのサクラナガンはともあれこっちは俺様とトールが居ないとどうにもならんし」


 わかってますけど。そんなわけで開いたハッチからコックピットに侵入。段差状の席に座ってダイレクトストーカーと同調します。


 ウィーン。ガシャン。ガション。


 一気に視界が開けて、機械巨人の目線で世界が映ります。所謂ソフィアをダイレクトストーカー相応に拡大しているわけで、慣れるまで時間がかかりそうです。


「雄雄雄雄ッ!」


 その間にも暴走した魔人……そのサクラメントは吹雪を具現。なにも感じないのは金属の身体だからか。あるいはABC装甲故か。ダイレクトストーカーの持つ絶対防御は、そも削りきるまで機体にダメージを与えないとのことで。


「で、殺すので?」


「其処まではしないけど。余計な慚愧は持ちたくないし」


 まことご尤も。


「RUAッ!」


 魔人さんが吠えてこっちに襲いかかります。吹雪ごと。


「てい」


 で、そんな相手をペチッと巨大な手で弾くと、人間に手で払われた昆虫のように空中に放り出される魔人さん。


「コングラッチレーション!」


 で、地平剣とはまた違う概念兵装をサクラナガン・ルージュが構えます。


 浄化鍵ジョウカイザー。魔人を正常化するための遺産。そこにスケールアップの法則が働けば人間以上の出力は間違い無しで。


「キャンセル! デリート! アンドゥ! 即ち!」


 右手の浄化鍵ジョウカイザーが白銀に輝きます。


「ノーマライズ・ホーリー・クリーン!」


 でも実際のところ、私への執着とジュリアンへの批難をどうにかしないと今後の被害もソロバン弾けますよね?


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