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第70話:少女が見た流星13


 どちらかといえばリアル系。色合いは桜色とルージュによる赤系統。で、あっさりと胸コクピットに入っていく猫耳少女。私とジュリアンはこの巨大人型ロボットの手の平の上で安全率だけ確保している感じ。


「――フレイムスフィア!――」


「――サンダーブラスト!――」


「馬鹿め!」


 とはロボットからのご返答。


「――パワーバリア――」


 小学生でも直訳できる防御魔術をこのロボットは展開しました。結果煤埃もつかずに無病息災。


「トールさん。そんなクォーネに寄りつかんでも! 俺が愛して差し上げる!」


「トール嬢! 貴女はあまりに可憐すぎるのだよ! 僕にとって至宝である!」


「そんなに可愛い?」


 髪をかき上げる。挑発とも言う。


「もう最高!」

「トール嬢萌え萌え!」


 ほほう。男なんですけどね。


「なわけでアルマ=クォーネ。この義ばかりは押し通らせて貰う。真なる愛を手に入れるのはこのワンダーにお任せあれ!」


「帝国貴族としても責任持って世紀の恋を成就させ奉る! この愛を阻害するモノは須く敵性と判定するが如何に?」


「それで僕のダイレクトストーカーに勝てるのならにゃ」


 さっきからのニャンコ言葉が巨大人型ロボットから聞こえてくる。聞くに機体名はサクラナガン・ルージュ。ちょっと厨二心をくすぐるネーミングセンス。


「で、こっちの武装には浄化鍵ジョウカイザーがあるんだけど……どうするね?」


「やってやらぁ!」

「愛の前には無力!」


「ではその通りに」


 どう考えても百八十センチ相応の魔神二人に、二十メートル超えの巨人ロボットがフィジカルで戦うはずも無い……と思いたい。踏みつぶされて終わりです。


「概念解放。浄化固定」


 私とジュリアンが乗せて貰っている左手の掌とは逆……ジャキッと浄化鍵ジョウカイザーを握るサクラナガンの右手が、その剣にも見える鍵を魔神二人に差し向ける。


「卑怯千万!」

「不利千万!」


「元々ダイレクトストーカーは魔術を倍化させるための礼装ですからにゃ」


「さあ。元の人間に戻って貰います。その魂ごと浄化されよ」


「いくぞツーリーさん!」

「応ともワンダー殿!」


 魔人側も覚悟を決めたらしい。


 ビシッとギニュー特戦隊みたいにポーズを決めると、


「「トール嬢最萌えペロペロしたいよーッ!」」


 そんな呪文とともに桃色のハート型ビームが飛び出しまして。


「ではこっちも参ろうにゃ。魔力充填完了。ABC機構八十二パーセント同調」


 魔力が人型巨大ロボットことサクラナガン・ルージュを駆け巡る。


「キャンセル! デリート! アンドゥ! 即ち!」


 右手の浄化鍵ジョウカイザーが白銀に輝きます。


「ノーマライズ・ホーリー・クリーン!」


 カッと白銀の光が全方向に津波のように波濤しました。視界がしろがねに染められて、それから場に可視光線が戻ると、そこには人間に回帰したタキシード求婚者二人。


「ふむ。これにて一件落着」


 そして猫耳少女のロボット……サクラナガン・ルージュは影へと消えていく。


 彼女。瞳の色も桜色だ。可愛らしいというか絶頂的に可愛い。ぶっちゃけ私でも嫉妬するレベル。まつげ長いし、肌ピチピチだし、胸は無いけどくびれはある。お尻も大きいし。まぁ胸がないのは私も同じなんですけど、私の場合は在った方が問題で。


「それで君は? 可愛いにゃ!」


 猫耳少女は広がった沼のような影にサクラナガン・ルージュを完全に沈めると、どんな理屈か普通の人影程度にまで収縮。結果何事もなく場を鎮圧した功績を誇るでも無くこっちに興味を示す。


「どうも。トールと申します」


「トール……トール……。カワイイにゃーよー」


「畏れ入りますぅ」


「新入生?」


「転入生ですね。こっちでストーカーにならないかと」


「そう云うわけだぜ。俺様のパートナーだ。手を出すなよアルマ殿」


「ソレは無理!」


「む。何故だ?」


「可愛いもん。僕は可愛いモノが大好き。可愛ければ御飯十杯いける。その上で、彼女……トールの愛らしさは天を突き抜けている。その艶の鮮やかなロングヘアーは何時もどうしてるの? かなり丁寧に洗わないと維持できないよね?」


「それはもちろんジュリアンのご厚意に甘えて最高級品のシャンプーで清めておりますよぅ。日々の努力が美少女を形作るとぉ」


「そかそか。じゃあこれから僕とも一緒しない」


「ダメだぜ。トールは俺様のモノだ」


「こんなに愛らしいなら共有財産だよ。一人が囲って良いレベルを超えている美少女っぷりだから、愛は等倍で計算しないと……」


「ところでダイレクトストーカー?」


「ダイレクトストーカー」


「さっきの巨大人型ロボット」


「だな」


「あんな技術がこっちの世界にはあるのぅ?」


「無いと言ったおぼえもないが」


「ロボットに乗って魔術を使うのぅ?」


「それがストーカーの仕事というか能力だしな」


 スーパーロボット『ダイレクトストーカー』を動かすパイロットを『ストーカー』と呼ぶらしい。


「動かせるの?」


「魔力が有れば幾らでも」


 そしてそのための特異点……ということのようで。


「じゃあジュリアンのダイレクトストーカーって……」











「機械神…………アンドロギュノス」


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