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第65話:少女が見た流星08


 しばし書類整理があって数日後。


「転校生のトール=アラクネさんだ。皆さん仲良くするように」


 学院都市のストーカー養成学院で、私は転校生扱いとして所属していましたとさ。


「どうも。よろしくお願いするんだぞ」


 ピッと人差し指を教鞭の様に振るって散々練習したウィンクを一つ。


「「「「「――――――――ッ!」」」」」


 喝采が鳴り響きました。


「ブラボー!」


「ふわああぉ!」


「めっちゃ可愛い!」


 というわけで、男子だとバレるかというこっちの不安は完全にぬぐい去れたわけで。


「仲良くしましょう!」


「紳士としてお付き合いいたします!」


「その髪綺麗だね! お手入れは何を使ってるの?」


 とまぁ興味津々の御様子。


「いえ。その。ジュリアンのお世話になっていますので」


 水を差し向けると、


「そういうわけだ。そいつは俺様のパートナーだから手は出すなよ」


 アイスブルーの瞳が挑発的に私を見ます。


「ホントに?」


「ええ。まぁ」


「でも可愛い」


「それは恐縮だよぅ」


「なんならこっちで受け持つよ」


「謹んでごめんなさい」


 とまぁ色々と。


 ジュリアンの幻想ながら美少年ぶりに私の美少女ぶりが乗ると、色々と疑念も湧くようですね。こと学院一個に関して言えば噂が千里を駆け巡ったらしく別クラスからも謎の美少女――つまりトールが何者為るやと見に来る人多数。私はジュリアンの隣に座って、朗らかに笑顔を振りまいていました。






「――つまりこの時のストーカーの諸事に関しては」


 で、まぁ学院であれば授業もあるわけで。意味不明な羅列を並べられる講師にはごめんなさいですけど理解不能で。魔術に関してもあまり理解は得られないというか。


「大丈夫か?」


「ジュリアンが隣にいれば」


 穏やかに微笑んでみせます。


 バキィと鉛筆の折れる音。不穏げな動作は周囲から。


「可愛いな。トールは」


「にゃはは」


 で私と言えば他にすることも無いのでジュリアンとイチャイチャ。


 そんな感じで学院への馴染みに少しずつ進んでいき。


「トールさん! この俺と結婚してくれ!」


「トール嬢! 貴女はこの僕が幸せにしてみせる!」


 講義終わりの昼休み。ストーカー養成学院での昼食中に求婚を受けました。


「えーと?」


 ミートローフを食べつつジュリアンと愛を語らっていると、また異色の髪をした男子生徒二人がタキシードを着て花束もって私に突貫。


「もちろん君がディフェクターを苦難だと思っているのも知っている。俺はそんな君を救ってみせる!」


「トール嬢! 君こそは天の遣わした乙女だ! その美貌の前にはエロスも譲る!」


 結論。


「何言ってるんですかこの人たち?」


 私は二人のタキシードを指差してパートナーに説明を求めます。


「もちろん俺様の俺様の俺様の可愛いトールを寝取ろうとしてるんだな」


「可愛いですか?」


「「「超可愛い!」」」


 ジュリアンとタキシード二人が断言します。


 うん。女装している身としては御光栄。ミートローフをパクつきます。


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