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第16話:ストーカー養成学院06

「……ダイレクトストーカーっていうのは……一種の兵器なの」


 だろうね。


「……詳細は講義で……習うとして……基礎だけを話す……けど」


 はいはい。


「……まず……ダイレクトストーカーは……三つの構成から……なる」


 ほう。


「……一つは骨。……一つは血。……一つは肉」


「人間と変わらないね」


「……うん」


 骨は正確にはマンフレームって呼ばれており、ボーンメタルという金属で為されてダイレクトストーカーの骨子を支える。


「ふむ」


 血は正確にはマジックサーキットと呼ばれており、ダイレクトストーカーの全体に魔術師の生成した魔力を行きわたらせる……そんな性質を持つ。こっちはブラッディメタルっていう金属で為されて機能する。


「ふむん」


「……最後に……肉。……これの代替物は……オリハルコンっていう金属」


「オリハルコン?」


「……知ってるの?」


「あくまで知識としては……だけどね。向こうの世界では哲学者の提唱した伝説の金属の名前だったっけ?」


「……こっちの……世界では……ダイレクトストーカーの……主な構成要素」


 幾つか魔術的要素や他にない特徴を持つ魔性金属らしく、押さえておくべき項目は二つほどのようで。


「何さ?」


 一つは大気中の魔素を吸収して貯蔵する能力。一つは人の精神に感応して出力する能力。


「……ここで話が……戻るんだけど」


 つまりオリハルコンで出来ているダイレクトストーカーによって人間……魔術師はスケールリミッターを突破できる。


 ――ん?


「意味わからん」


 と表情で問うと、


「……わかってる」


 と燈色の瞳が答えた。


「……何で……ダイレクトストーカーが……巨大か……わかる?」


「ロマンがあるからじゃないの?」


 少なくとも人が乗って操縦するロボットは巨大でなければ宇宙の法則が乱れる。


「……違う」


 違うんだ。


「……人が魔術を……使う際には……皮膚から大気中の魔素を……吸収するでしょう?」


「そらまぁ」


「……そして……オリハルコンも……同じことが出来る」


「だね」


 で、ある以上ダイレクトストーカーは人間より巨大な分だけ大気に晒す表面積が多いから魔素をたくさん集められるわけで。


「っ!」


 なるほど……!


「つまり普通に人間が魔素を吸収するより遥かに大量の魔素を吸収して魔術師に送ることが出来るわけだ」


「……そういうこと」


 コックリ。


「……だから……物の大小によって……魔素の……吸収効率が……変わるから……これを指して……スケールリミッターって言うの」


「……納得」


 する他ない。


「納得ついでにもう一つ。フォースのお姉さんは人型のダイレクトストーカーに乗っていたけどアレは仕様?」


「……だって……人型じゃないと……動かせない……でしょ?」


「そなの?」


「……ええと」


 大雑把に云うとダイレクトストーカーはマンフレームが搭乗者の意識を奪ってオリハルコンに伝達。これによってマジックサーキットが搭乗者の魔力を奪ってオリハルコンに流入する。だから間接的に搭乗者の意識……ソフィアをダイレクトストーカーに移し替えて動かす。そうである以上、人の形をしてないと脳の命令とダイレクトストーカーの動作に不具合が生じるとのこと。


 ……っていうかソレって……、


「ブレインマシンインタフェースを実現させてるってこと……?」


 僕は愕然として呟いた。声がかすれたのは勘弁してほしい。まさか文明の進んでいない準拠世界が基準世界でもまだ開発されていないブレインマシンインタフェースを実用化しているなぞ信じられなかった。


「……ぶれいんましんいんたふぇえす?」


 クネリと首を傾げるフォース。燈色の髪が揺れた。


 まぁブレインマシンインタフェースなんて単語自体は知らなくて当然か……。


 それでも脳の信号を奪って意識をロボットに移し替えるなんて……そんな技術が普遍的に扱われていることには驚嘆せざるを得ない。


 搭乗者の意識に直接的に追従して動くから『直接的追従者ダイレクトストーカー』と呼ばれてるいるらしい。


「ダイレクトストーカー……ね」


 なるほど。


 九十二へぇ。


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