能力者、怒られました
みんな、こんにちは。今日から東京で高校生活を送る、火山って言うんだけど。
俺、今何してると思う?
「火山君、初日から遅刻とは良い度胸だな」
答えは、時間に3分遅れた事に対して、必死に弁解(言い訳)しようと頑張ってます。なんでこんな事になったかと言うと元はと言えば昨日買った時計のせいだ!。
なんで次の日にはもう壊れてんだよ。中古品ってポンコツばっかりなの?なんなの?ベルがならないのは嫌がらせ?新手の嫌がらせ?やだ何そのイタズラ画期的。
「大体初日から遅刻というのは・・・・・・」
あ〜はいはい分かってますから、こういうのが5分以上続いてるから正直うんざりしてます。
というか時間が大切なんでしょ?なんでここまで時間を伸ばして説教を続けるかね。言ってる事とやってる事矛盾してますけどだいじょーぶですかー?
「ちゃんと聞いているか。まったく、近頃の若いのはゆと「すいません、説教なら後にしてもらって良いですか?」 えっ?」
小太りの絶対ねちねち説教する男性教師の後ろから、結構サッパリとした優しそうなイケメンの男性教員が声をかけてきた。
「ほら、火山君。もうすぐ始業だよ。急がないと」
「えっ、あ、はい」
えっ、何このイケメン。男だけど惚れそう。しかし残念だったな!俺にはそういう趣味はない!
イケメン教師はネチネチ教師の方を向くと完全に論破しそうな勢いで話し始めた
「それとですね、先輩。姫騎高校特別ルールにきっちりと書いてあるんですが、
『5分以内の遅刻、又は特別な事情を後から話された場合は2分以内の注意で済ませる様に』って言うのが有るんですが。勿論御覧になった事は?」
小太りの教師は何も言わずにただ下唇を悔しそうに噛んで「・・・ぐっ」っと小さく唸るだけだった。追い討ちをかけるように後輩教師が言葉を放つ。
「この学校には特別なルールがあるんで、ちょっと僕より教師歴長くたってこの学校には通用しないですからね」
「さ、行こうか」
後輩教師がネチネチ説教先輩野郎を論破したと見なし俺を連れて職員室を出る。ていうかだんだん先輩教師にあだ名が増えていってるんだけど。いつかピカソみたいになるぞ。
しばらく廊下を歩いているとイケメン先生が俺に話しかけて来た。
「ゴメンね、あの人教師歴が長いだけで見下そうとしてる人だから。」
「いえいえ、何処の学校にもそんな人は居ますから。謝んなくて良いですよ。えぇーと・・・」
「あ、まだ名前を言ってなかったね。僕は嵐乃 風牙。嵐乃先生で良いよ。今日から君の担任だ」
そんな他愛もない話(最低限の自己紹介)をしていると、嵐乃先生は一つの教室の前でぴたりと立ち止まる。どこかの高校の様にめちゃくちゃ扉がデカイ訳でもないが、The進学校。みたいな扉である。別にドアは好きでもないのに。めっちゃ説明しちゃった。
「此処が今日から君の教室だ。1年A組。1年生の中だと一番の優秀組だよ。君のクラスメイトは変わり者ばかりだけど。まぁ、頑張ってくれ。」
雑!超雑じゃん!何?今から腹ペコのライオンがいる檻に入れって言われる時くらい雑!
・・・例えが分かりにくいですねぇ。もっと分かりやすい例え思いつけよぉ!
そんな事を考えてる俺を他所に、嵐乃先生は次々と指示を出していく。
「僕が入ってきて、と言ったら教室に入ってくれ。そこで簡単な自己紹介をして貰うから。今のうちに考えて置いてくれよ。あと・・・ん?なんか僕の顔についてる?」
先生の話は目で聞く耳で聞く。と教わった記憶が若干あるので目をめっちゃ合わせて聞いてたら、戸惑われた。涼時ちょっと悲しい。
「まぁ、後は適当にやっといてくれ。じゃ頑張れよ」
・・・お願いだから自己紹介で噛みません様に!!
ガララと嵐乃先生がドアを開けた横で静かに手を合わせて願っていた火山であった
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