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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
追っかけ少女 ツク
96/573

歴史の試験

 ツクの侵入事件を解決して数日後、キルクモが歴史の授業を教えていた。


「……というのが、歴史の序章だ。少し宗教も入ってる」


 アルは憧れのキルクモの授業だったので目をキラキラさせながら聞いていた。キルクモは彼女を見て話を聞いていないと思ったのか、唐突に質問を投げた。


「……ん~、アル君はラ・ムー様の歴史についてはどう思っているんだ?」


「は、はいっ!素敵な声ですっ!!じゃなくて、えっと、偉大な……、えっと……、歴史を……、か、感じました」


 アルは思わずキルクモの声について回答してしてしまった。


「う、うん、質問が曖昧だったかな……。すまなかった……」


「は、はい……」


 アルは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。


「え~っと、来週から試験だからみんなちゃんと勉強するんだぞ。そうだ、アイドルだからって、成績は見るからな、二人ともっ!」


「は、はいっ!キ、キルクモ先生っ!!」


「はい、アルちゃんの勉強は私が見てあげますっ!」


 恐縮するアルをシアムはフォローするようにそう言ったが、アルは腹を立て始めた。


「シ、シアムゥゥゥッ!!!やだやだやだ~~~っ!!!私が勉強しないみたいじゃ~んっ!」


「ふふっ、だって、アルちゃん、試験の時だけお部屋が綺麗になるからっ!」


 アルは顔を更に真っ赤にすると言ってはならないことを言ったなとシアムを責め立てた。


「(カ~~~ッ)な、な、な、何てこと言うんだ~~~っ!勉強に集中できなくて現実逃避で掃除してしまう的な話じゃないかぁぁ~~~っ!」


「ふふっ!」


 教室は笑いに包まれたが、アルとシアムの漫才のきっかけを作ってしまったキルクモが困ってしまった。


「わ、分かった……。えっと、ロウア君は……、まあ君は大丈夫か」


 困ったキルクモはロウアに話を投げた。


「僕もアルの勉強の面倒を見ますよっ!」


「んが~~っ!イケカミィィィ~~~ッ!」


 ロウアに話を投げたが、こちらも漫才が続いてしまったのでキルクモは頭を抱えた。


「あぁ……」


 またも教室は笑いに包まれてしまい、そのまま終了のチャイムと共に授業は終わった。


「おっと、終わりか……。えっと、勉強はしっかりとな」


-----


 その夜、アルとシアムはいつものように自室でツナクトノを使って話をしていた。


┌───────────────────┐

│歴史は覚えるのが大変だよぉ~     │

│はぁ~、試験勉強どうよ?       │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │そうだね、アルちゃん。        │

    │でもキルクモ先生の授業だから楽しいで │

    │しょ?                │

    └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│う、うん……、そうだけどさぁ~    │

│覚えるの大変だよぉ          │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │イケカミ兄さんは、どうですか?    │

    └───────────────────┘


 その会話にロウアも巻き込まれていた。


        ┌───────────────────┐

        │う~ん、世界史がない分、楽かも    │

        │自国ムーの歴史だけでしょ?    │

        └───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │世界史?               │

    │他の国の歴史ですか?         │

    └───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │そうそう、僕の居た世界では他国の   │

        │歴史も学ぶんだ。           │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│ほぇ~、何か覚えること多そう     │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │大変そうですね……          │

    └───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │この時代だとムーとアトランティスの  │

        │大きな二国しか無いからかなぁ     │

        │そいえばアトランティスの歴史は    │

        │ないよね?              │

        └───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │あんまり言いお話しを聞かないからかも │

    └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│そうだねぇ              │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │え、そうなの?            │

        └───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │ムーを宗主国にしてくれているけど   │

    │裏では何をしているか分からないって  │

    │噂が多いよね             │

    └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│みんなどんなことをやっているか知ってい│

│るけど黙認しているというか……    │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │うん……。酷いことをしているという話も│

    │あるよね……             │

    └───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │そうなんだ……            │

        │少し調べてみようかな         │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│止めた方が良いよ           │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │何でさ                │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│気持ち悪い動画がいっぱい見つかるから │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │はぁ、そうなの?           │

        └───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │政権が変わる度に前政権の人達を    │

    │沢山……、その……          │

    └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│穴に埋めちゃうとか……        │

│強制労働させるとか……        │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │そ、そんな……            │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│自分の国以外に住んでいる人達は動物だ │

│と思っている人達だって聞くよ     │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │ムーには愛の思想があるんだよね?   │

        │宗主国にしているのになんで      │

        │そうなるんだ……           │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│本当にそうだよね……         │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │うん……               │

    └───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │う~ん、なるほど。だけど気になるなぁ │

        │やっぱり調べたいと思う        │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│そっか……              │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │だけど、イケカミ兄さん、       │

    │普通の人達は関係ないの……      │

    │学校にも留学で来ている人達がいるけど │

    │とてもいい人達だよ          │

    │私達のファンにも沢山いるんだよ    │

    └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│そだよ、悪い国じゃ無い!       │

│一部の人だけ!            │

└───────────────────┘

        ┌───────────────────┐

        │分かったよ、二人とも!        │

        │歴史を調べるだけだよ         │

        └───────────────────┘

┌───────────────────┐

│分かってもらえて良かった       │

└───────────────────┘

    ┌───────────────────┐

    │良かった!              │

    └───────────────────┘


2023/11/03 文体の訂正、文章の校正


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