キルクモ日記 その4
私はロウア君と共に担当の教室が変わった。
主任ロネントがロウア君をアル君、シアム君と同じ教室にした理由は、有名どころの生徒を集めて管理し易くするのが目的だった。その決定の際、私は彼と同じ教室の担任になりたいと懇願したのだ。
前任の先生には申し訳なかったと思っているが、私はどうにも彼が気になって仕方が無いらしい。彼が海で事故に遭ってから、そうなったような気がする。昔、彼の兄がナーカル校にいた時も目に付く生徒だったが、ロウア君はどうも彼と同じ雰囲気がある。本当に不思議な兄弟だ。
それと、ロウア君は元のロネント部に戻ったようだ。彼は不思議な魅力を持っているのか、ナーカル校の有名どころが集まってくる。遂に、ご迷惑少女組という異名を持つ二人の女生徒にロウア君は見つかってしまい、彼女らの部活お助け部にロネント部が吸収合併されてしまった!これはロウア君にとって幸か不幸か分からないが、聞いたときは思わず吹き出してしまった。
さて、これだけの有名人が集まっている教室だが、私は教師として他の生徒達とあまり差別しないように接しなければならない。いずれの生徒達もたくましく育っていけるように、後ろから支えられるような存在にならなければなるまい。誰からも頼りになる先生になれるように頑張ってみよう。
とはいえ、夜中の学校に入ってまで活動されたのでは、たまらないものがあるな……。私が頭を下げなければどうなっていたか。明日、それらしく言っておくか。
2022/11/30 文体の訂正、文章の校正




