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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
ラ・ムー
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アトランティス調査団②

 そこは小さな町だった。ここは無気力人間がいなくて驚いた。引き続き、俺は声の案内のままに移動すると、小さな宿にたどり着いた。


「こんにちは、突然の訪問で驚かせしまい、申し訳ございません。」


 通訳機を使って俺は話しかけたが、誰もが俺がやって来た事に驚いていた。そりゃそうだ、突然、外人様が来訪したんだからな。しかし、いくら周りを見ても子供なんて居なくて一体誰が俺を呼んだのかと思った。


"コッチ、コッチ"


「こっち?だから、どこだよ」


"ここだよ~"


「……ま、まさか、お前が?」


 そいつを見て俺は開いた口がふさがらなかった。


「お、お前がシイリ?マジで?うそだろ?子供ってか、赤ん坊じゃないかよっ!」


"ですです"


「ですです、じゃねえよ……。何なんだよ、お前は……」


 目の前の無邪気に笑っている赤ん坊が俺に話しかけているとかあり得ないだろ。俺は、ともかく、この場にいる人達にやって来た理由を知らせた。彼らは、あのアイドルの両親とか関係者で、一時期、ケセロとかいう敵に捉えられていたらしかった。それを池上によって助けられたようだった。


 説明が終わると、シイリは、またとんでもないことを言いだした。


"ロウアお兄ちゃん、イケカミお兄ちゃんが助けてって言ってるっ!"


「はぁ?あいつが?てか、俺はホセイトスだってっ!」


 俺は、宿のやつらを戦艦に乗せると、次はシイリによって池上のところに案内された。


 今度は、首都からそんなに離れていない少し大きな街で上空に船をつけて、監視カメラを飛ばして街の様子をうかがった。すると、街中がデモだなんだと盛り上がっていて、首都に行くぞと誰もが叫んでいた。


 そいつらの先頭に池上が捕まっていて酷いことになっていた。女があいつを助けようと突っ込んでいくのを見て、俺達も急いで助けようと船を向けようとしたが、その女の死と共に、いや、その女はロボットだったんだが、ともかく、ロボットの破壊と共に急にあいつは消えやがった。


「なっ!消えやがった……。ど、どういうことだ」


"あっちっ!あっちだよっ!ロウア、急いで~~っ!!"


「なに?お前は何処に消えたのか分かるのか?てか、呼び捨てにするなよ……」


 俺は急いで周りを見渡して前方で空中に浮いている池上を見つけた。


「あっ!あんなところに浮かんでいるっ!」


"お、落ちちゃうっ!急いで~~っ!早くっ!早くっ!"


「落ちる?あぁ~~~っ!」


 池上は何処かに向かおうと移動したようだったが、すぐに力尽きて落下していった。俺は急いで船を移動させて池上を救った。中型船じゃなかったら間に合わなかった。


 俺達は、あいつを急いで戦艦の救命室に異動させて、医療担当者に命令して何とか一命は取り留めた。しかし、苦しそうにしていて医療の奴らも困り果てていた。


「たぁ……。やべぇ、助けたは良いが死ぬ寸前じゃねぇか……。お、おい、池上、大丈夫か?」


 すると、またシイリが何か言ってきやがった。


"ロウアっ!"


「また、お前は……俺は……。もういいや。んで、今度はなんだ?」


"この時代のイケカミ兄ちゃんのところに行こうよっ!"


「何を言ってるのかサッパリなんだが……」


"えっと、カウラ……って名前……の人"


「あぁ、こいつの兄貴……この時代のこいつか……。過去世のこいつ……。ちっ、面倒くさいな……」


"ロウア兄ちゃんのお兄ちゃんでしょ?"


「ん?あぁ、少し思い出した……。そうか俺の兄貴でもあるのか……。更に複雑になったぜ」


----------

※ 作者注

 池上と永原が未来からタイムスリップした際に、それぞれこの時代の身体、つまり、池上はロウアに、永原は少し過去にタイムスリップして幼きホセイトスに宿った。


 しかし、彼らの過去世の魂も生まれており、以下のようだった。

 ・カウラ:池上の過去世

 ・ロウア:永原の過去世

 二人は兄弟として生まれている。


 つまり、池上は、過去世の永原の肉体に宿ってしまった。

 死して肉体から離れたロウアは、しばらく地上を彷徨うように元の肉体のそばに居たが、その後、ホセイトスに宿った永原の魂と合体した。繰り返すが、ホセイトスの肉体には、未来から来た永原とこの時代の永原が同居しており、知識も共有している。


 複雑ですいません……。


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