表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
カフテネ・ミル
48/573

ロネント誘拐事件

 シアムの監禁事件は大々的なニュースになり、しばらくツナク上は、この事件に関連する話題で大いに盛り上がった。アイドルグループの誘拐事件とロネントの暴走という、二つの大きな事実がムー国の国民に衝撃を与えたからだった。


「カフテネミルのシアムちゃん誘拐される。誘拐犯はロネント!」

「ロネントの暴走事件、政府は対応に追われる!」

「高性能なロネントが暴走!アイドルグループを誘拐!」

「高性能ロネントを開発したのは誰なのか?!」

「天才少年がカフテネミルを救出!」

「シアムちゃんを助けたのは幼馴染みの少年!」


 こんな見出しのサイトがしばらくツナク上に溢れていた。


 ロネントの故障で怪我などを負う事件は今までもあったが、故意に人間を傷つけるようなロネントは存在しなかった。それが意図的に人間を監禁するなど前代未聞の事態だった。この事件の後、ロネントを使わないという人達も現れるようになったが、社会全体がロネントに依存していることもあり、簡単には排除出来ず、人々は不安を持ちながらもロネントとの"共存"を続けることになった。


 ロウアは、退院後、この時代の警察に呼ばれて事情徴収された。池上だった時代にも同じように事情聴衆されたが、今回は自分が責められる立場では無かったため、幾分、落ち着いて対応できた。しかし、どうやって助けたのかと聞かれても、コトダマについてを話すわけにもいかず、家に入った途端、ロネント達が壊れたと適当な話をでっち上げるしか無かった。


(まぁ、あんな力、説明できないからな)


 魂のロウアも同情するようにそう言った。


(うん……、しかし、あの声……。どこかで聞いたような気がしたんだよね……)


(ん?ロネントの声の事か?またお前の時代のやつだったか?)


(うん、どうかな……よく分からない……)


(てか、お前のコトダマってのはなんなんだよ)


 魂のロウアの疑問は最もだった。


(えっと……。なんだろね……)


(な、なぬ?)


(ナーカル語に強い力が備わっているのが勉強していて分かったから、文字を組み合わせたらどうにかなるんじゃないかと思ったんだ)


(はぁ……。どうにかって……、どうやったら、そんな発想になるんだよ……)


(僕の母国語だった日本語にもそういった言葉自体に力があるという話があって……)


(んで、ナーカル語にもあるんじゃないかって?)


(そう……、ナーカル語はもっと強いというか、一文字一文字に大きな意味を持っているから……。

それを組み合わせるだけで強い意味が生まれる……。

そこにちょっとしたエネルギーを加えれるとすごい力が出るかな~って)


(うん、分からんっ!理解できんっ!なんだよ、えねるぎーってさ)


(僕自身が描いている意思って言えば良いのかなぁ……)


(はぁ……、曖昧な力だなぁ。もっとすっきりさせて欲しいわ)


(う、う~ん……。自分でも科学者らしくない気がする……)


 隣人は呆れるやら、うんざりするやら、もう知らんといった顔をしていた。


(まあ、エロ事件疑惑も解けて良かったぜ。なんか自分がエロだと思われてるようだったし、不快だったぜ)


(……なんか、ごめん)


(……なぁ、実はお前って……)


(エロくないよっ!!!)


(……なら良いけどさ。俺の身体なんだから、しっかりしてくれよなっ!)


(はぁ~、分かっているって……)


2022/10/18 文体の訂正、文章の校正


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ