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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
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メメルトの声を聞いて

メメルトの黒歴史は、ナーカル校の女子寮にも響き渡った。


「今、悪党君がメメルトって言った?」


一人の女生徒が、映像を見つめてそう言った。


「えっ?!なにっ?!」

「今、丁度、購買部のロネントちゃんを壊したところっ!」

「みんな平気?」

「けが人は元イツキナ部屋に集めてっ!あそこは広いでしょ。」

「分かった~っ!」

「だけど、死人は出なくて良かったよ~。」

「ほんとよねっ!私らって強いんじゃない?」


他の女生徒達はロネントの暴走を止めるのに必死だった。怪我した者もいたので急いで搬送したり、救護したりと大忙しだった。


「メメルトって言ったような気がしたんだけどな~。」


「忙しいのよ、あなたも早く救護に回ってっ!」


「分かったよ~。全く、急にロネントが暴れるんだもんな~。」


取りあえず、田舎少女の黒歴史は女子寮には伝わらなかったようだった。


-----


もう一箇所、ムー大陸の南東部でメメルトの両親は、突然、娘の名前が出て来て驚きの声を上げた。


「あ、あなた、今、メメルトって…。」


この地域はケセロによる洗脳もあまりなく、ロネントも普及していなかった。その少ないロネント達の暴走も石切と彫刻で鍛え上げられた屈強な男達によって、あっという間に封じ込められていた。


メメルトの母親は、街の中心に映し出された立体映像に映った金髪の少年ロネントに震え、自分の夫の袖を掴んだ。


「あ、あぁ…、確かに…言った…。

このふざけたロネントがうちの娘を…!くそったれっ!」


メメルトの父親は、悔しさから目の前のロネントにハンマーでとどめの一撃を加えた。


「…あなた…、私怖いわ…。」


「イケガミ様の名前も出てきた…。彼がメメルトのために戦ってくれているということだっ!

祈るんだ…、お前…。」


彼は妻の肩を寄せると二人でラ・ムーに祈りを捧げた。


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