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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
第三の大陸
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キルクモ日記 その11

ロウア君の事を思い出してからどれぐらい日にちが経ったのだろうか。

思い出してからは、彼のことを捜索する日々が続いている。


私の記憶が確かかどうかを生徒に聞いてみるが、彼のことは誰一人として覚えていなかった。

学校のデータベースにアクセスしても彼が海の事故で亡くなったという情報しか見つからなかった。

彼の家が、ただの空き地になっていた時は、開いた口がふさがらなかった。


隣近所には、アル君、シアム君の家があったので、彼女達の母親に聞いてみたがロウア君の死と共に引っ越したとしか言わなかった。二人とも夫が家に戻っていないと愚痴をこぼすだけだった。


確か、アル君、シアム君の父親はどちらも神官だったはず。神官と言えば、数ヶ月前から問い合わせても意味不明な返事が返ってくるだけの日々が続いている。


しかし、ロウア君の捜索を続けていたのだが、近頃は学校の雰囲気が悪くなってきてしまっていて、それどころでは無くなってきてしまった。

今までほとんど無かった暴力事件や、虐めがナーカル校でも横行し始めてきたのだ。大人しい生徒がいきなり、他の生徒を殴って喧嘩になってしまうこともあれば、学校の壁を破壊したり、窓を割ったりする生徒達も出始めた。

近頃流行っているゲームのせいだろうと学校の統括ロネントの判断もあって私も調べてみたが、どうやらオンライン上で集まった人々が巨人族を殺すゲームのようだった。あまりにも酷い内容で、暴力的な上、描写が残酷だったので、学校や神殿に訴えてみたが誰も回答をよこさなかった。このゲームが流行ってから学校の様子がおかしくなったような気がしている。


…何かがおかしい…

…何かがおかしい…

…ここは一体何処なのだろうか…?

私は、何処に来てしまったのだろうか…?

私は、いつの間にか恐ろしく真っ暗な異世界にでも来てしまったのだろうか…?


…ただ、不思議なのだ…


ロウア君が居なくなったこと…

彼のことを誰も覚えていないこと…

神殿の神官達がおかしくなってしまったこと…

学校の雰囲気が悪くなったこと…


どれもつながっている気がしてならないのだ…。

何故だ…、何故なんだ…。どうしてそう思うんだ…。


ロウア君…

君に関係する友達…、アル君、シアム君、そして、部員達は、どうして何処にもいないのだ?

彼女らは、神殿に行ってしまったと聞いているが…。


そうか、彼女達なら何かを知っているのでは無いか?

あの意味不明な神殿に彼女達が居るというが、どうにか会えないだろうか…。


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