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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
第三の大陸
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ルンルンッ!ランランッ!ワックワクッ!

ンヌ・ト・ソたいりくの小さな村にすむ女の子は、とりのなきごえで目がさめました。


「ふあ~~。」


とってもおおきなあくびです。

だけど、ねむたい目をこすって、おかあさんとおとうさんにあいさつをしました。


「おかあさん!おとうさん!おはよ~~~っ!!」


おかあさんとおとうさんは、女の子がきょうもげんきにあいさつをしたのでニコニコしました。

女の子もおかあさんとおとうさんがニコニコしたので、いっしょにニコニコしました。


「わ~~っ!おいしそうっ!」


女の子がおきるころには、いつもあさごはんができています。

おかあさんは、あさひがのぼるまえから、つくっているからです。

あさごはんのざいりょうは、おとうさんがもりでとってきたどうぶつのにくや、やさいなどです。


女の子は、ゆかにすわると、ムシャムシャとたべました。

おかあさんとおとうさんもいっしょにムシャムシャとたべました。


「おいしかった~~っ!」


あさごはんをたべおわると、女の子は川に水をくみにいくじかんです。


「さぁっ!きょうも水をくみにいくぞ~っ!」


女の子はげんきにいいました。


川は、とてもとおいばしょにあります。

あさごはんをたべおわってから、しゅっぱつすると、とうちゃくするのはおひるすぎになってしまうぐらいのばしょです。


だから、いつもおかあさんにおべんとうをつくってもらっています。


「くんくん、おいそうだな~。」


女の子はたべたいきもちをおさえて、しゅっぱつします。


「ルンルンッ!ランランッ!」


女の子はスキップしながら川にむかいます。


「ルンルンッ!ランランッ!」


女の子はおけを持って川にむかいます。


「ルンルンッ!ランランッ!」


女の子がもっと小さいときは、小さなおけしかもてませんでしたが、今は大きなおけをもつことができるようになりました。

おかあさんとおとうさんは、それをほめてくれました。


「わ~~っ!おそらがとってもきれいっ!!」


きれいなそらをみて、女の子はじょうきげんです。

あまりにもじょうきげんなので、ピョンピョンととびはねました。

すると、ふくがぬげてしまいそうになりました。


女の子のきているふくは私たちとはすこしちがいました。

大きなどうぶつのかわからつくったふくです。


これはおとうさんが、とってきたどうぶつのかわから、おかあさんがつくってくれたものです。

はじめてもらったときは、女の子はいえのなかをおおよろこびでかけまわりました。


きっと、おかあさんは女の子が大きくなるのをたのしみにしてつくってくれたのでしょう。

このふくは、女の子よりもおおきなどうぶつでつくったので、ぶかぶかでした。


おや、女の子のかみには、大きなほねのかみかざりがついています。


「これは、おとうさんがつくってくれたのっ!」


女の子は、ニコニコしながら、さくしゃにおしえてくれました。

さくしゃは、ちょうじげんそんざいなのかとおもって、おどろいてしまいました。


女の子は、そんなことはおかまいなしで、ぬげてしまいそうなふくをちゃんときました。


「あっ!みたことのないとりさんがいるぅ~っ!」


女の子は、みたことのないきれいなとりをみつけました。


「あ~あ、いっちゃった~~…。」


だけど、女の子が大きなこえをだしたので、とりはどこかにいってしまいました。


「おいしそうだったのにな~。ジュルッ…。」


どうやら、女の子は、つかまえて、たべるきだったようです。


「わっ!いそがないと、よるになっちゃう。

よるになるとおばけがでるって、おとうさんがいってたからはやくしないとっ!」


女の子は、おおあわてで川にむかい、やがて、もくてきちの川にとうちゃくしました。


「ついた~~っ!」


女の子のなんばいもあるような大きな川ですが、そこはあさくて、川はとうめいだったため、そにある石や魚がみえました。


やがて、女の子は川にむかってよ~いどんのかっこうをすると、ふくをきたままザブ~ンっと川にとびこみました。


「わ~~~~いっ!!」


ここまであるいてきて、かいてしまったあせをながすためです。


「つめた~~い!」


からだがあつくなっているで、川のつめたさがとてもきもちいいです。


女の子は、ジャバジャバとからだをふるわせてあせをながすと、あさせでプカプカとうかんで、また、おそらをながめました。


「きもちいいな~っ!」


すると、さっきのとりがまたそらにいるのをみつけました。


「あっ!さっきのとりさんだ~っ!」


女の子はおおよろこびでたちあがると、とりのほうをみつめました。

こんどはちゃんとつかまえて、食べるのかな?

でも、まだ小さいからむずかしいかもしれません。


「し~~っ!」


あ、ごめんなさい。


ところが、そのとりのようすがおかしいことに女の子は、きづきました。


「あ、あれ~~っ?!」


なんと、そのとりは女の子のほうにむかってとんでくるではありませんか。


「わ~~っ!なにかとんでくるぅぅぅ~。」


女の子はおおあわてでにげだしました。


ところが女の子がにげるよりもはやくとりはちかづいてきます。

女の子がもうだめだとおもったしゅんかん、そのとりは、女の子のうえをものすごいおとをだしながら、とんでいってしまいました。

こわくてしゃがみこんだ女の子は、なにかがじぶんの上をとんでいったのをみて、ほっとひとあんしんしました。


「なんだったんだろ~。こわかったぁぁ~。」


女の子は、もりのほうにとんでいくとりをみつめました。

そのとりは、どうやらとりではなくて、女の子がみたこともないようなかたちをしていました。


「う~ん、おじさんがのせてくれた、おふねににてるかも~~。」


むかし、おんなのこのおじさんがのせてくれたふねのかたちににているとおもいました。

だけど、ふねのうしろのほうは、こわれていてけむりをモクモクとだしていました。

こわれてしまっているためか、いろいろなものがたくさんおちてきました。

女の子は、もしかしたら、こっちまでとんでくるのではないかとおもってドキドキしてしまい、こわくなって木の下にかくれました。


「怖いよぉ…。」


女の子が木のかげから、ふねをじっとみつめていると、そのふねはだんだんとおちてきて、もりのなかにおちそうになりました。


「あっ!おちちゃうっ!」


女の子がそういったしゅんかんです。


なんと、ふねがたいようのようにおおきくひかるではありませんか。


「わっ!まぶしいっ!!」


あまりにもまぶしいので、女の子はビックリしてしまい、目をつむってしまいました。

やがて、まぶしくないのをかくにんすると、目をそっとひらきました。


女の子はそんちょうさんに、かみさまはピカッとひかるのだときいていたから、あのふねのしょうたいを知っています。


「…あれはきっとかみさまだぁぁ。」


そして、かみさまは、そらにいるときいていたので、かみさまがおちてきたのだとすぐにわかりました。


「すご~~い、かみさまがおちてきた~~っ!」


女の子は、ずぶぬれのまま木の下でグルグルとまわって大はしゃぎです。


たくさん、たくさんグルグルまわったあと、女の子は、かみさまをみたくてみたくてしかたがなくなってしまいました。

水くみにきたことをすっかりわすれてしまっています。


「う~~。」


そして、女の子は、りょうほうのうでをギュッとして、いっしょにからだをちぢめると、バッとおおきくひらきました。


「よ~~しっ!いっくぞぉぉ~~っ!」


女の子は、目がキラキラさせて、ビショビショのふくのまま、そして、おけをおいたまま、かみさまのほうにはしっていきました。


「ルンルンッ!ランランッ!ワックワクッ!」


きっとかみさまに、あえるにちがいありません。


「ルンルンッ!ランランッ!ワックワクッ!」


かみさまにあったら、おかあさんとおとうさんにじまんするつもりです。


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