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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
孤独な戦い
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女子寮にて

アマミル達は、途中、清掃用のロネントを見る度にビクビクしたが、何とか女子寮に着いた。

辺りはすっかり暗くなっていた。


「で、どうする?」


女子寮の前で、イツキナはアマミルに作戦を確認した。


「あなたの昔の部屋に移動しましょ。あそこは広いからね。」


「うん、そだね。

私は部屋から着替えとかを持ってくるよ。購買部でアルちゃん達の分を買おう。」


「そうね。」


「ま、そんなに心配しないでいいって。ロネント共は襲ってこないからさ~。」


エメは気楽そうにそう言ったのでアマミルは腹を立てた。


「なぁに?どうしてそんな事が言えるのよっ!」


「あっ!え~っと、まぁ、なんつーか。俺が守ってやるって意味だって。

この身体は武装改造してるしなっ!」


エメは慌てながら否定して、右腕を前に出すと肘を曲げた。するとそこから銃が出てきた。

他にも太ももからミサイルが出そうな装置が出てきたり、左手からは電磁的な盾が出ていた。


「なっ!なんだそれ~~っ!勝手に改造しないでよっ!」


これには今度はイツキナが腹を立てた。


「あ、やべぇ、元の持ち主がいるんだったぜっ!」


エメはあっけらかんとしていた。


「わ、分かったわ…、頼むわね…。」


「了解だぜ~、俺は寝ないでも良いからな~。」


「なんだかな~~…。」


イツキナは不満そうだった。


「…で、でも、どうします?

エメさんて顔がイツキナ先輩と同じですよ…。」


アルはもっとな指摘をした。


「あっ…。」

「…そうだった。」

「や、やべえなっ!!あははっ!」


すると、シアムがエメの前に立った。


「ん?どした?ネコちゃん。」


「ネコちゃんじゃなくて、私はシアムにゃっ!

…これで大丈夫、にゃ…。」


エメのセリフにムッとしたシアムだったがツナクトノを操作すると、エメの顔が別の女性に変わった。


「あぁ、その手が…。」

「おぉ、別人だっ!」


アマミル達はアトランティス国でアルとシアムが顔を変えていた事を思い出した。

アルとシアムは、アイドルとして有名だったため、この時代の成形外科技術を使い、元の顔は変えずホログラフのようなもので顔を変えた事があったのだった。


「ん?なんだ?顔が変わったのか…?

あぁ、そうか整形装置か、アイドルグループには必要なもんだからな。

便利な時代だぜ。」


「あうんっ!エメちゃんの顔が変わった~~っ!」


ホスヰもそれを嬉しそうにしていた。


「んだよ、がきんちょ。エメ"ちゃん"って。」


「だって、お兄ちゃんか、お姉ちゃんか分からないんだもんっ!

あと、私はホスヰですっ!」


「はんっ!ま、良いけどさ。がきんちょっ!」


「あう~~っ!!」


ホスヰも腹を立てて殴りかかろうとしたが、エメに軽く止められた。


「止めなさいってっ!夜だから静かにしてっ!」


アマミルは二人を止めるようにそう言った。


「へ~いっ!」

「あうぅ、ごめんなさい…。」


「エメ…さん、私のいとこってことにするから、口を合わせなさいね。

あと、男性声は禁止っ!」


アマミルはホスヰの頭を撫でてあやしつつ、エメにはきつく言った。


「はんっ!分かったぜ~っ!

じゃない、分かったわ。お・ね・え・さ・まっ!」


エメは途中から女性声になって答えた。


「何がお姉様よ…。全く…。」


「ま、入ろうよぉ~、私は疲れたよ…。」


「そうね。」


イツキナの合図で部員達はナーカル校の女子寮に入っていった。


-----


しばらくイツキナの部屋でまったりしている時にイツキナがぽつりと言った。


「学校が始まったら、どうするよ…、アマミル…。」


「あぁっ!…はぁ~…。」


「アハハ~ッ!」


エメは気楽に笑うだけだった。


いずれにしても課題は残しつつ、女子寮での潜伏生活が始まった。


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