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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
不良少女 ホスヰ
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戸惑いの謝罪訪問

 翌日、ロウアの母親はホスヰの家に向かった。

 手には菓子折を携えていて、泥棒まがいに家に押し入った息子の行動を謝罪するためだった。彼女は入口のインターフォンを重々しく押すると、入口まで来て欲しいと女性の声が聞こえてドアのところまで向かった。

 ドアのところまで来ると自然と開いて中から自分と同年代の女性、息子の言っていたホスヰの母親らしき人物が顔を出した。


「この度は、うちのロウアがご迷惑をおかけして申し訳ございません……」


すぐにロウアの母親は謝罪の言葉を言った。


「そんな……。ロウア君にはとても感謝しているのですよ」


「えぇ?か、感謝……ですか?」


 叱られるのを覚悟してきた彼女は、その言葉を聞いて聞き返してしまった。


「えぇ、もちろんですっ!ロウア君は、うちの子を元気にしてくださったんですよ」


「は、はい……?」


 ロウアの母親は何を言っているのかと我が耳を疑った。


「あ、あのうちの子は何を……?」


「えっと、私も分からないのですが、ホスヰが言うには魔法をかけてくれたとか」


「ま、魔法ですか?」


 魔法という言葉を聞き、ロウアの母親は理解が追いつかなかった。


「えぇ、本当に不思議なことが起きたみたいで……。

あのいつも咳ばかりしていた子が元気な声で話しているんですからっ!」


「で、でも、うちの子は無断でその……、お宅に入ったとか……」


「そんなことどうだって良いじゃありませんかっ!」


「え、えぇ、あ、あの……。ど、どうして良いのか……。私も……その……。

えっ?ど、どうでも良い???」


「はいはいっ!」


「そ、そうだ。つまらないものですが……」


「あら、美味しそうなお菓子ですことっ!奥様、さぁ、お家に上がってください。一緒にお茶でも如何ですか?」


「は、はい……?え、えぇ、ま、まぁ……」


「さぁ、さぁっ!」


 二人の母親はこの後、菓子折でお茶会を開くのだった。この後、二人はメッセージをやり取りするなどの仲となった。


2022/10/08 文体の訂正


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