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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
歴史の一節 - 新たなる裂け目 -
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色々と長いアーカちゃん

その夜、ロウアが眠りかけた頃だった。


===== ピ~ッ、ガラガラ… =====

===== ピ~ッ、ガラガラ… =====

===== ピンポンパンポ~ンッ! =====

===== 未来が入れ替わりました~っ!=====


= すご~~~~~~~~~~~く、久々の超次元存在のアーカちゃんですっ!! =


「あぁ、待っていました…。でも、ちょっと眠いのですが…。」


= おぉ、君が僕を待っているなんて、すごい進歩じゃ無いかぁっ! =


「し、進歩ですか…?ふわぁぁ~…。」


= そうだよ、そうだよ、んで、どうして僕を待っていたのかなぁ?!ん?ん? =

= あくびなんてしている場合じゃ無いぞっ!お待ちかねのアーカちゃんなんだぞっ! =


「えっとですね…。」


ロウアは眠い目をこすりながら話そうとしたが、


= いやいや、聞かなくても分かる、うんうん。 =


アーカは、またしても勝手に話し始めた。


「はいっ?あ、あの…。」


= イツキナっていう魂の事だよね?そうだろう、そうだろう。 =


「…何も言ってないですけど、は、はい、そうです…。さ、さすが、アーカ様です…。」


= そうだろう、そうだろう。 =


アーカは急に真顔になると、


= 突然、イツキナは、明るく元気になったよね~。 =

= メメルトって人は、身体から自由になったからって言ってたけど、ちょっと違う感じだなぁ。 =


「ウトウト…」


= コ、コラッ~~!寝るなぁ~っ!! =


そう言うと、アーカはロウアの頬を両手でビシッと叩いた。


「い、痛い…。何するんですか…。」


= この魂は自我力の傾向が強すぎたんだよ。 =

= それと前にも話したけど、自分を強く責める傾向があったんだよね~。 =


「自我力に…、自分を責める…、ですか…?」


= そうさ、自分で何でもかんでもやってしまわないと気が済まない性格なんだ。 =


「それは、問題ないのでは?」


= ものには限度ってもんがあるんだよ~。 =

= 自分でやってしまわないといけないと思うから、上手くいかないと自分を強烈に責めてしまう。 =


「……。」


= お父様は多くの人達が協力し合って生きることを望んでいるんだよ。 =

= 一人じゃ誰も生きられない、これがお父様の作った法則だよ。 =

= そうさ、それがラ・ムーって人も説いている愛ってやつさ。 =


「愛ですか…。」


= 一人じゃ無いからみんなで協力する事が大切だってこと。 =

= 彼女はね、君たちの介抱で、それを悟ったんだよ。 =

= 足を動かせるようにならなくっちゃって思ったと同時に一人じゃ生きられないんだって。 =


「…イツキナ先輩…。」


= それまでは、自分の親やアマミルって人にも感謝の気持ちも薄れてしまっていたってわけ。 =

= 感謝は愛につながる第一歩さ。知ってたかい? =

= 君たちの愛は、彼女に感謝を生み出し、愛につながって運命を変えた。だから気持ちも晴れた。 =

= 未来の彼女は、少し気さくな性格になったんじゃないかな。 =


「なるほど。元気な愛那に会えると良いな…。」


= 他人に頼りすぎも困りもんだけどねぇ~。 =

= 君たちの仲間にはいないけど、エメって人に頼りっきりになろうとした人達は、該当するかな。 =


「あぁ…。」


= ここからが本題。=


「えっ?イツキナ先輩の話で終わりでは…?」


= 來帆って子だけど。 =


「石川さんですか?」


= あっ、名前で呼んでごめんね。 =


「いや、そこに驚いたんじゃないんですけど…。

彼女がどうしたんですか?天国に帰ったのでは?」


= 話は長くなるけど、君たちは少し大きなバスに乗っているんだよね。 =


「バス?何の話ですか?」


= そのバスは関係者、つまり縁の深い人達が乗っているバスなんだ。 =


「はい?」


= そのバスはね、時間の上を走っているんだよ。 =


「何を言いたいのか…。」


= つまり、バスに乗っている人達はまとめてこの世に転生するってことさ。 =


「…一緒に?協力するために…?」


= そうそう、それもあるけど、互いを磨き合うためにね。 =

= 來帆って子は、そのバスから落ちてしまったんだよね。 =


「バスから落ちる…?つまり、タイムスリップ…。」


= お父様に聞いてみたんだけど、タイムスリップすると一旦、バスから落ちてしまうんだ。 =


「……。」


= つまり、転生輪廻のシステムからも外れてしまうってこと。 =


「…転生輪廻出来なくなると…。」


= この時代のエメって子の魂はすでに天国に帰っているんだ。 =

= 100年前の大災害で命を落としている。=


「えっ、つまり、石川さんの過去世…。

ちょ、ちょっと待ってください。石川さんはこの時代に二人になっていたと?」


= そう…。 =

= この時代の過去世の來帆は天国に戻り、そこに未来世である來帆が乗り移ってしまったってこと。 =

= 同時期に同じ魂はいられない。 =

= 同じバスに二人は存在できないんだ…。 =


「だから、転生輪廻出来なくなると…。

だ、だったら、彼女はどうなってしまうんですかっ?!」


= 彼女は天国にも帰れず、地獄にも行けず、地上で彷徨う事になる…。 =


「…そんな…。」


= ★8の君…、もう分かっているけど、君もだよ…。 =

= 君も該当してしまっている…。 =

= 君も危ないんだ…。 =


「……。」


= 転生輪廻のシステムから外れた魂がどうなるか、実は分からない…。 =

= 地上に残りすぎると、お父様からの光があまり当たらないから、意識が薄れて消えてしまうかもしれない…。 =

= 魂が消えるなんて、よっぽどのことが無い限り、あってはならないことだけどね。 =

= ご、ごめんね…。深刻な話しになっちゃった…。お父様にも相談するからあんまり悩まないでね…。 =


「は、はい…、でも、教えてくれて…ありがとう…。」


= うん、僕らしくない話だったね。 =


「…來帆さん、君はどうなってしまうんだ…。」


= …君は、こんな深刻な状況だっていうのに彼女の心配をするのかい? =


「えぇ、だって、僕のせいで彼女を巻き込んでしまったから。」


= さすが★8と言いたいところだけど、ちょっと明るくなれないなぁ…。 =

= 感情を持たない僕がこんな気持ちになるなんて、何億年ぶりなんだろ…。 =

= まぁ、お父様に聞いてみるから吉報を待ちたまえっ! =


「ありがとうございます…。」


ロウアがお礼を言っている間に時間の流れは元に戻っていた。


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