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妄想はいにしえの彼方から。  作者: 大嶋コウジ
その発展は誰がためか
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神殿の頂点

エメ達は、別同部隊が警備室を押さえたことが分かると、大きなバスのような車に乗った。


「いくぞ。」


エメの言葉に、拳銃を持ったタキン、トアミ、ソウチ、そして、その部下とて登場した10名は、武者震いした。


「あぁっ!」

「了解っ!」

「おうっ!」


彼らの乗ったバス型の車は空中に浮かぶ車を改造したものだった。


ムー文明で使っている車は、車両によって、一般公道を走る車は数センチ程度、一部の車は、地上50メートルなどのように飛ばせる高度が決まっていた。

それらの車は、ある程度の高度を上がったり、下がったりはできるが、大幅な高度変更は出来ないように制限が掛かっていた。

無論、神殿よりも上空まで昇れる車は存在しないため、エメ達は乗車する車を改造し、高高度まで昇れるように制限を外していた。


やがて、エメ達の乗った車は、その限度を超えて神殿の頂点に近づいていった。

丁度、この日は空も澄み渡っていて、星空が綺麗に遙か彼方まで続いていた。


「思ったよりも寒いな…。」


沈黙を破るようにタキンがそうつぶやいた。

神殿の頂点は、標高1,000メートルぐらいに位置していた。

その位置だと温度は地上よりも6.5度ぐらい低温になる。

地上の温度が、10度ぐらいだったので、エメ達の高さだと、およそ、3.5度だった。


「エメが言ったように厚着にして良かったよな。しかし、よく寒くなるって知ってたな。」


タキンがエメにそう言うと、


「お前らとは出来が違うんだって。」


「ちっ、またそれかよ。」


標高の高い山が存在しないムー大陸では、我々が常識と知っているような高くなればなるほど寒くなるという知識は広まっていなかった。


「というか、タ・ナレミの授業でも言ったぜ?お前らが覚えていないんだよ。」


エメは、そう言った後、ナレミの話をしたのは、失敗したと思った。

ナレミが自分達の姿を見たらどう思うだろうか。

案の定、皆、黙ってしまった。


「俺達は後戻りできない…。俺達は世界を変えるんだ。そうだろ?」


エメは皆の気持ちを鼓舞するために、そう言った。


「…もうすぐ着く。タキン、トアミ、ソウチ、他の奴らも準備しろよ。」


そう言いながら、エメが皆の顔を見ると覚悟を決めた顔をしていたので、自分の杞憂を反省した。


(気にしすぎか…。)


やがて神殿の頂点近づくと、ドーム状の建物が見えた。


「あれが頂点か、あんなもん(ドーム)下からは見えないよな。」


トウチがそう言ったが、


「バカか、設計図に書いてあっただろ?相変わらず覚えが悪いな。」


「タキン、てめぇ。お前だって気温のことを覚えていなかっただろっ!」


「あん?!やるか。」


今にも喧嘩が始まりそうになったが、


「後にしろって。

…あそこが入口か。確かに車を下ろせそうだな。」


エメが二人を制止しながら言った。


「ちっ…。覚えていろよ、トウチ…。

しかし、この設計図通りで良かったぜ。」


タキンは、トウチを睨んだまま、裏組織が賄賂で手に入れた設計図の正確さに関心した。


「あぁ、そうだな。ここまで正確なら女王の部屋もすぐだ。」


エメ達の乗ったバス型の車は神殿の頂点に降りた。

クーデター部隊は、それぞれ拳銃を手に取ると、車から降りて女王の部屋を目指した。


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