慈愛部の会話
「タ・トウミ、今日はありがとうございました。」
※「タ」は神官組織の人間に対する敬称。部署毎に異なってくる。慈愛部は「タ」となっている。最上位は、「ラ」。
「ミミ君、君は強引すぎるよ…。」
※ ミミ:猫耳神官の名前
「ふふっ、だって面会を断ったって言うからっ!私って正義の味方なんですよっ!」
「はぁ~、私だって神官の端くれだよ?
だけど、こればっかりはどうにもならないよ…。」
「予算の件ですよね。」
「うん、私たちの組織が作ったロネントが原因で職を失って、子どもを捨てる親が増えているなんて、これが正しい神官なんだろうかと常に思うよ…。
ラ・ムーの女王様もお許しになっているのだろうか…。」
「でも、どうしてあんなに増やしたんですか?しかもあんなに安くして…。」
「ロネントに学習させるのが目的らしい。」
「学習ですか?」
「そうだ。ロネント自体は学習能力を持っているが、経験が圧倒的に足りないからそれを覚え込ませているらしい。」
「受付の個体も?」
「そうだろうな。確かに、初めの頃に比べたら随分、出来るようになったよな。」
「そうですね。始め頃は呼び出しを受けて、一階に降りたけど、誰もいなかったことがありました。」
「私なんか、何を言っているのか分からなくて、自分で下に降りていって代わりに受付をやったこともあったよ。」
"タ・トウミ、受付で南東の孤児院の神官がいらしています。"
「そんなことを言ってたら、受付から新しい"お客様"のお呼び出しだよ…。」
「ちゃんとお会いになって下さいねっ!
お話を聞いてあげられるのはロネントでは無理ですから。」
「分かった、分かったって…。君に引っ張られて行くのは、もうごめんだよ…。」
「ふふっ、それでこそ慈愛部の神官ですよ。」
「やれやれ…。」




