ラングドシャとイタイイタイ病
暇なんで暇な人は暇潰しにどうぞ
不安な感情があるんだ。どこにあるかは知らない。たぶん、自分が想像しているよりも大きい。面白いものだ。不安や、恐怖といった負の感情は欠伸をしている間に、すぅっと心の隅々へ侵食していくのだ。あまりにあっという間のことで、もう笑えないけど笑えてしまう。雪だるま式に肥大化していく中で、どう対応していけばいいのか。知りたい?それがわかれば自分も苦労しないよ。今、こうして愚痴っているけど、足はガタガタ震え、唇は冷たく紫色をしている。瞳孔は開きっぱなしで、ドライアイ。どうかしてる。今すぐにでも、叫び声を上げて思いっきり走り出したいけど。できるわけがない。
あぁ、踊らされているんだろうなぁ。そんな考えがよぎる。自分が恐怖に震えている姿をニヤニヤ見て、楽しんでいる奴がいるってこと。蟻の巣観察みたいに、俺には気づかない場所から観察して映画館さながらポップコーンでも食らっているのだろう。ほんと最悪。ギャグ漫画みたいに拡声器で「バゴーン!」と叫んで、マジックミラーを粉砕、それに奴の鼓膜も貫通してやりたい。処女膜を突き破った時みたいに、血がチュルチュルと滴り落ちるのだろうか。面白い。今度、眠っている浮浪者の耳元でやってやろう。なんならそこからリンチしてみるのも一興だ。音が失われた人間がどんな行動にでるのか気になっていた。あたふたともつれた足取りと同時に音が聞こえない違和感と確かに感じる耳の痛み。何者かに襲われた事実。反撃に移せるかね。自分がさせないけど。真っ白な世界とはどんな世界だろうか。フラッシュグレネードなんかが身近な例か。「キーン!」と響くと視界が白に飲まれ、あとは何が起こったのかわからないまま時間がすぎる。
汗が落ちる度に、緊張と言う名の針が全身を刺す。嫌だ嫌だ。すぐにでもここから開放されたい。
自動ドアが開くと、一人の女が入ってきた。瞬時に構えたが、殺気を感じられないとわかると、震えた手つきでタバコに火をつける。
17時に更新