罰
さっきお尻から落ちたからか痛いなぁ……
ほかの人に見られたらまずいのか食堂の扉の前にたっている今隣には誰もいない
コンコン
「失礼しまぁ〜っす……」
入ると誰一人喋っていない
ぅえ?ここであってるんだよね??
「セオ様」
小さな声でリドが俺の名前を呼んで焦ったようにやってきた
「なぁ、どうしてこんなに……」
「セオ!!!!!」
静かなんだ、そう聞こうと思った質問を打ち破るように放たれた大声は空気を震わせた
思わずビクッとなってしまう
声の元は
「……」
お父様
長い机の一番向こう側にお父様がいる
そこからあんなでかい声
俺から見て右側にいるのはお母様とアリス
2人とも手が止まっている、
何事なんだ……
すごい形相をしている父親に視線を戻すとまくし立てるように行ってきた
「今まで何をしていた!!さっさと席につかないか!」
へっ?
隣にいるリドが小声で教えてくれた
「陛下より先に食事の席につくのがマナーなんですよ!忘れたゃったんですか?!」
「す、すいません!陛下……」
陛下だったのか……いや書庫で読んだけど……
「お前には罰として3日間食事抜きだ!」
……
『はぁっ!?』
なぜか隣にいるリドも叫んでしまっている
でもこれはもしや……
「わかりました……失礼します」
「なにっ!まて!」
「セオ!!!」
「兄様!!」
バタン
これは……!!!!冒険に出るチャンスだ!
なんか色々と聞こえてきたけど……
こうなったら部屋に帰って支度だ!!
「おい、貴様やっと外に出るようになったのか?目上のものには向かうなど……命知らずなやつだな」
ポンッと出てきて隣を並走しているサタン
「魔力の制御、教えてくれるんだよな!?」
期待と喜びがまざって笑みが溢れてしまう
サタンはポカンとしていたがやがて企むように笑って快く受け持ってくれた
「我の指導は地獄を見るぞ!!」
3日間しかない貴重な時間だ、有効活用しなければ!!
二階にある俺の部屋は階段を上がって右の通路をまっすぐ行った場所にある。
「あーっと、あったあった、これ……んんー……」
もっと魔力を使いやすい服装がいいよねー……
ここでもらった服はどれも正装って感じで……いや、着心地は最高なんだけどなんだか落ち着かない
「ふんっ、それも含めて錬金すればいいだろう」
サタンが何回目かの単語を口にする
「前から思ってたけど錬金って何?どうやるの?」
空中でダラダラとしている幼j(((魔王は面倒臭いと言ったように仰向けで
「全部教えるからさっさと支度を済ませろ!!」
と一喝してしまった
「はい、……。」
結局ジャケットは着ていくことになった
何があるかわからないしな
部屋の扉を開けて足にアクセルをかけて床を滑るように走る
「はぁ〜……まずは移動じゃな、貴様は走るなどという無駄なことをしている、あぁ、でもそのまえに……」
俺が一生懸命早く行こうとしてるってのに隣の魔王様はまぁグチグチブツブツ……
「城門には衛兵がいるな……」
「貴様この城の主の血族ではないのか?通れないということがあっては笑いものだな」
バカにしたような視線を隣からひしひしと感じながらそれもそうかと納得する
そう言えばこの世界に始めてきた時だって城門の外からだったんだ、行けるだろう、
堂々として城門を通ると衛兵は交差させている槍を立ててくれた
「ご苦労さまです」
バッチリ笑顔を忘れない
「さて、1面草原だけど、こんな所でやったら城から丸見えだよな……サタン?」
……
あれ、なんも返事ないし
「おい?」
周りを見渡すと急に襟首が持ち上がって数km先にあった深い緑の森に向かっていく
「えっ?ちょっちょつちょっちょっ????」
一瞬でついたかと思うと再びお尻から草の上にダイブした
「いったぁっ!乱暴だなぁ!」
「何度言ったらわかるんじゃ!人前では姿をあらわせんと言っておるだろうが!!!」
※2回目
「は、はい」
腕を組みながら木の枝に移動して座る
「じゃあ、ここなら」
「いや、もう少し奥に洞穴がある、そこで、だ」
城と反対の方を向くと少し岩肌が見えた
「わかった、今から移動……」
「ここで移動手段だけ教えてやろう」
今から始まるのは地獄の支配者からの地獄の特訓だった