反抗
「天の軍勢??」
聞いたことのない単語だ人界の勢力があると同時に魔界にも魔王っていう統率者がいた、町にも警戒態勢が敷かれていたし、天界にも勢力があったとしてもおかしくない。
むしろないほうがおかしいだろう。
はた、と気づいた。
俺、今格好が…
いやぁ、色が統一されてるからましとか思ってたけど白のコートに黒黒ってやばいな、能力重視装備っていうのは間違いないんだけど今は持ってるのが強いのしかないっていうか…
「天界の武装組織…というか、そうだなぁ、己の力をそれぞれが競い合い、高めあっていく場だ」
最後欠点だけ隠してるけど結局は戦争とかいざこざが起こったときに駆り出されて戦ってこーいってだされるだけだろう
「自由は?」
自由、ここでの自由とは人界に行けるかという意味の自由である。
女神さまは少し首をかしげてさも当たり前のように言った
「あるわけないよ、天界では規則正しい生活が求められる、君だけ特別なんてあるわけないよ」
その言葉に耳飾りをもらって自分だけ特別扱いだという考えが少しでもあったのではとおもった。
…あ、耳飾り、効果みたい…けどさすがにここではみれないしな、まぁ、心は決まってる、ここから人界に戻ったら見よう。
「すいません女神様、私は人界に戻りたく存じます。」
その答えを女神さまは予想していたのか、それとも…
「ならぬ」
間髪入れずに女神さまは否定してきた
「いえ、帰らせてもらいます。拒否権がないとは言わせません。シーナを救ったのは私です。」
でも俺も引けないのだ。家族が、待ってるから。
「なぜだ?周りと同じことをしていればいいのだ、何も秀でていなくとも、見劣りすることもない。」
その女神様の言葉に”家族”が理由ではないことを悟った
「俺は強さを追い求めてるんですよ。女神様」
口の端氏が上がっていく、強くなることを想像したらなんだってできる。もうあの世界じゃない。窮屈な。ゲームの世界が二の次のあの世界じゃない。
ここは、強くなるのが生きる目標となる世界だ。
そう、強くなるためには”攻略”しなくては
人界、そうだ、まずはアリスたちのところへ戻らなくては…
「では、失礼します。」
俺をずっと見つめていた女神さまに背を向けて歩き始めた
「シアナ、…おろしてやれ」
「はい」
後ろでそんなやり取りが行われたかと思うとシーナは俺の背中をポンっと、たたいた。
その瞬間足元に魔法陣ができ、重力のようなものが体への負荷としてのしかかった。
「其方は危険分子になりうるからな…」
女神さまが目を細め、思案顔でつぶやいたそれはセオの耳には届かなかった。




