祝福
隣から視線を感じて指の隙間から見てみると腰に手を当てて、ジトっとした目でいかにも何考えてたんだ変なこと考えてんじゃないだろうなと言ってそうにみてきていた
「…はぁ」
しまいには小さくため息までつかれた別に俺は変なことを考えていたことはない。断じてだ。
おどおどしている俺とあきれた感じのシーナの雰囲気を察してくれたのか女神様は座席をさっと立ってこちらへ進んできた
次はなんだ次はなんだ何するんだよ
セオは半歩下がった
「なんで逃げるんだよ」
「いや、逃げてないですよ」
女神様は少しずつ下がる俺に対してステップを踏むように差を縮めると不意に俺の手を取った
その姿は綺麗だった。少し周りの時間が遅くなったかのようにも感じた。
そして反対側の手を耳にもっていくと突然手の中が光り始めた。
「…っわぁ…」
感嘆の声が出てしまったのも無理はない。
「神の祝福を」
女神様は小さくささやくといっそう光を増したそれを俺の手のひらに乗せた。
「っこれ、」
ほのかに暖かく、光り輝くそれは俺の手のひらに乗ると少しずつ光が抑えられていった、
それは耳飾りだった
「それはシアナを人界において命を燃やしてまで助けてくれたお礼だよ」
そういうと女神さまはパッと手を放して王座のような椅子に戻ってしまった
「あ…あ、ありがとうございます。」
感謝だけは伝えなくてはと言ってみたら先に跪いていたシーナに座って!と言われてしまった
いそいそと体制を真似すると女神さまの口から思いがけない言葉が出てきた。
「天の軍勢に入らないか」




