謁見の場
前を歩くシーナは耳が猫、いわゆる”ケモミミ”というやつなのだろうがずーっとぴくぴくしてるのだ
正直すっごい気になる
と、まあ触るわけにもいかないのでおとなしくついていくしかないのだが。
天界は建物は白が多いものの、植物が多く育っていて空気がきれいだ。
民家かと思うような質素な家はなく、どの家もきれいでととのっている。
すれ違う人たちは皆容姿端麗だ。俺がいていいのかと少々不安になるが…
そして住宅街からでも見えていたのが今目の前にある大きな神殿である。
柱が何本も支えており入り口は凝ったレリーフが彫られている扉だ
「なぁ、これ、どうやって開けるんだ??」
背丈の何倍あるのかという扉は、俺より小さいシーナには開けることは不可能だろう。
門番も見当たらないのが不思議だ。立ち入り禁止にでもしているのか?
…いやないのはわかってるけども。
シーナは俺のほうを振り返ることなく左腕を上げる
「…」
あげた左手の手のひらを扉に向け手を左に回す
「…ムーブ」
シーナがそうつぶやくと彼女から感じるかすかな魔力が扉に吸い込まれていくのを感じた。
ゴゴゴゴゴゴゴ
扉は真ん中に光の亀裂が入ったかと思うとゆっくりと奥に開いていった
「うわぁ…すっごい…」
目を真ん丸にして扉の奥を見つめる俺にシーナは
「この先じゃ」
と言って先に行った
おれなにするんかなぁ…
「神に謁見するときは片膝をつき右手を胸に当てておくのじゃ。いいといわれるまでこうべをあげるなよ?」
静かな大理石の上でコツコツとなる二人の足音に混じってシーナはそう言った
神に謁見ってやばいだろ。俺なにしたんだよ
「わかった」
しばらく歩いたか、最初の扉とは違う、いや、扉自体はいっしょなのだが奥からすさまじいほどの魔力を感じるのだ。
思わずゴクリをつばを飲み込んでしまう
またさっきと同じように扉に魔力を送るのかと思った時だった。
ギギギ…
目の前の扉は光を漏らしながらこちら側に開けていった




