デュラハンの真実
この世界の……って、
「え、魔界の??ひと握り??」
「そうです、私のように暗黒騎士になるのも一つの手ですね。」
相当やばいことになってる……???
「おいサタン……」
サタンとは顔見知りなのだから助けてくれてもいいはずだ……大体きたくてきたわけじゃないんだ……
セオは頭を抱えてしゃがみこんだ
サタンは呼んでも来ないし、行く宛もないし、
「どうすればいいんだよ……」
「……サタン様を、ご存知で……?」
「え??」
絞り出されたようなか細い声の方を見るとデュラハンは困惑したような表情で眉間に皺を寄せ、端正な顔をゆがませていた
「なに、どうし」
「ご、ぞんじ、なのですね??」
デュラハンはゆらゆらと近づいてきて俺の両肩を掴んだ
「えっ……!!」
俺の方を掴んだ手に力が入る
「今、サタン様はどこにおられるのですか!!!!!」
デュラハンは見たこともないような凄い表情で迫ってきた
「お、え、だって、洞窟でお前を呼び出したのも、サタン」
「……洞窟で……呼び出した」
デュラハンは顔を一層歪ませた
「……しらな、……あの時、私は……」
(止められなかった)
デュラハンの言葉は俺の耳には届かなかった
その言葉は爆風によって遮られた
「やぁ、こんなところにいたのかいサタナキア」
突如爆風とともに男が現れた
目の前にいたのは金髪にエメラルドグリーンの瞳緑色を基調とした洋服をきた男だった
「ベルゼブブ……ッ」
現れた男はデュラハンを腕を組んで見下げている
そしてデュラハンは腰が引けていた
宙に浮かんでいる男とデュラハンは知り合いだったらしい
だが、サタナキア……とは?
「おいそこの糞……と、それでは糞が可哀想か……"人間"魔界に来てなにをしているのだ。」
え、糞、が可愛そう、で、え、俺?
「は……」
セオが眉間に皺を寄せてベルゼブブを見つめているとベルゼブブは眉をひそめ、目を細めて見下ろしてきた
「なんだ、その汚らわしい目で俺を見るな」
なんだこいつすげぇムカつく!!!!
「俺はきたくてきたわけじゃない!!」
なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだ!
俺が怒るのを見て楽しんでいるのか少し笑って俺からデュラハンに視線を移した
「フッ……サタナキア、ルシファー様がお待ちだ、戻るぞ」
「待て!ベルゼブブ!!」
男はデュラハンを一瞥して右手で宙に円をかいた
そこには闇、としかいえないようなものが広がっていた
デュラハンは腕を前で交差させ、風を避けながら男に叫んでいた
デュラハンが、連れていかれるのか??
「なぁ、デュラハン……?」
状況が理解出来なくて、デュラハンが遠くに行ってしまうような気がして、
しかし、俺の言葉を聞いて、行きかけた男がとまり、笑い出した
「デュラハン??ハッハッハッハッハ!!!!こやつはルシファー様に使える身である。デュラハンなどの下級悪魔がなれる地位ではない!」
どういう、ことだ??
俺が洞窟であって契約したのはデュラハンだ。
でも、今ここにいるのは?
隣にいるデュラハンは俺の視線の意味を感じてこちらを向いた
「私の本当の名は、ルシファー陛下に使える悪魔、サタナキアです。」




