試練
俺がこの世界、魔界?に来たのは多分あの声が原因なのだろう。
耳障りなあのキンキンとした声……
意識が遠くなって来たのがここ、とは……
「ですが、セオ様」
「なぁ、ここは、魔界、なのか??」
「……そうですね、私がいた場所です、」
デュラハンは魔王の城の方をみつめながら答えてくれた
……だったらなんで、あの洞窟にいたんだ??
「デュラ」
「セオ様、私の意見ですが、ここにずっと滞在すると少々危険であると思います。」
デュラハンは口こそ笑っているが目は俺の後ろを向いていた
「だれか、いるのか?」
ふふっと笑ってデュラハンは俺の手を掴んだ
「不躾なやからですね……貧困層の奴らは本当に躾がなっていない……走りますよ」
路地を出て悪魔達のあいだを縫っていく
走っていて思ったのだが魔王城は遠い。
走っても走っても城が近づかないのだ。
袴のおかげで素早さはあがっているが、体力はデュラハンの比でも無かった
何に追われているのかも知らない、が、身体的に振り向かない方が見のためであるというのは本能で察している。
そして、ここはおそらくサタンがいたであろう場所だ。
サタンは魔王なのだから城にいてもおかしくない、そうしたら城に行く以外に何をするんだということになる
道のりが道のりだが……
細く入り組んだ仕組みであることはわかった、簡単に"追手"をまけたし、だが、移動量も少なからずあった。
「た、体力もたねぇ……」
はぁはぁと荒い息をしているセオの横には涼しい顔をしているデュラハンがいた
「ふぅ、まったく……それで、ですがセオ様、魔王城に行くのであればまず街を出ましょう。」
軽く息を吐き、腰に手をあててこちらをみている黒い騎士は今、入ったばかりの街を、出ましょう、と。言った。のか???ん????
「今、なんつった」
「街を出ましょう」
はぁぁぁぁぁぁぁあ〜……
まぁ、反論する気力も残ってないというか、この世界に詳しいのは事実だからしたがって損は無いだろう、だが今、入った街を、出るのか……
「さぁ、まずは!!第一歩として、ですがね!!」
「なんだよ第一歩ってさ……」
含みのある言い方は大体……
「魔王城にいくのはこの世界のひと握りしか行くことを許されていません!!!」




