漆黒の騎士
冷たく硬い、そして漆黒の鎧
腕を掴んだままデュラハンであろうその人に問いかけた
聞かれた男はさも当たり前であろうという顔で小首を傾げた
「……はい、私はセオ様が主、デュラハンでございます」
キョトンとした顔を引き締め、胸に手を当てて見つめ返してくる
まるで本物の騎士のようだ
「あの、首繋がってんだな」
先程までの姿を目にしているのだから普通な質問のはずだ
美形……もといデュラハンは透き通るような白い肌に白銀の髪、目は光っているのかと錯覚するほどの透明な金色だ
「……セオ様は、首がない方がお好きですか」
「……ん?」
おすきですか??
「セオ様がそう仰るならこの首切り落として」
「首がついてるデュラハンカッコよすぎる惚れるわー」
このデュラハンは少々主に忠実すぎるようだ
「……その、そのようなお言葉……痛みいります」
涙ぐんで鼻をどこから持ってきたのかハンカチで押さえている
「おいデュラハ」
「セオ様のお命はこのデュラハンが!!お守りいたしますので……」
今度はセオの手をつかんで見つめてきた
「そ、っ、そうか、ひとまず、手をな?はなそうか」
キャラが濃い。
「……っ!すいません。それでは、この街に入って何をなさるおつもりで?」
仕事はきちんとやるタイプか?
「あぁ、魔王の城だな」




