魔界の通行
呼吸がはやくなる、これはいわゆる、いや、正真正銘の激レアアイテム。
それも二つ。
震える手でアイコンをタップ。
光が体へと移って……消えると着用成功だ
全体的に黒くて、和装だ
袴が一番の原因だろうが、
昔から見た目装備とかは気にしてなかったせいで変なものになることが多かったのだが今回は色が統一されているせいかまともに見えた
ロングコートは白に金の模様が入っている、下のシャツは黒く、ピッタリとした素材になっている
袴はそのまま黒い袴だ。
「……運使い果たしたかなぁ……」
いや、まてよ、ここで運使い果たしたら元の場所に戻れなく……
考えないようにしよう
物陰からそっと出る
……まずは街にいくのがいいか?
異形のモノがたくさんいる街にわざわざいくのか?そこでやっときたかと言わんばかりによってたかって殺られたら終わりだよな
……考えすぎか……
眉間を抑えていた手をしたに下ろしてぎゅっと握る
「こうなったら腹くくるしかねぇな」
先程のことでデュラハンに謎の信頼ができた俺は結晶を握って深呼吸をする
ひび割れた地面は所々隙間がある
そこにはさまってしまったのか小さなモノが時節うごくのが目に映る
「……」
そういえばさっき使った黒い石、あんまないな
ってか、無いな
見渡す限りには無い
目に映るのは茶色の砂の塊のようなものばかりだ
あの黒くて重い、ツヤツヤとした場違いだとおもうほどの、石……。
場違いだなぁ……
こんな乾燥した中でツヤツヤしてたって……
人魂達と街へ向かって歩いているといつの間にか目の前が街だった
「ふぅ、大丈夫だ、」
新しい街に入る時のようなドキドキ感は無い、あるのは緊張と恐怖だ。
高層マンションが立ち並んだ近未来的な街ーなどではなく。
木なのか鉄なのかよく分からない橋を渡るとそこは街だ。
左をみても右を見ても端が見えない、どこまで街があるのか
橋の向こうには大きな錆びた鉄の門そしてその奥には魔王住んでますと言わんばかりの城がある。
橋を渡り終え、門を進もうとしたセオの直感は不意に危険を知らせた
一歩後ろに下がったと同時に槍が上から斜めに振り下げられた
「うおぁっ!」
あっぶね……
冷や汗をかいた……
「魔族だという証拠を見せろ」




