禁忌の術
想像力を働かせてな……
「ふぅ……」
力を抜き石に神経を集中する
服、か
魔力を増倍させる服が欲しい、
その他もろもろデザインを想像して石に再び集中する
『魔力よ宿れ 無から高みへ 神の御物を
我らにさずけたまえ その力を 込めんとす』
サタンからの説明を元に手を広げスライドさせる
『汝 御心のままに 』
目を薄く開く
手から、体から光がほとばしっていた
「いいぞ」
「……これ、は、錬金が成功したってことでいいのか?」
俺の手の中には想像した通りの服があった
「そうじゃな、その容量でやりたかったらやればいい、だがな、あまり神に頼ることは勧めぬぞ」
サタンの方を見ると感情が伺えないような冷徹な顔をしていた
「サタン……?」
一言呼びかけるとサタンは一瞬目を開き、泳がせてまた口を開いた
「代償がでかい、からな」
サタンによると錬金術は神からの授かりもの、本来人間が知らなくても何も無いものだそれ故に禁術とされていて重刑となるらしい
神から悪魔、そして人間、そうして伝わった禁術はいつしか人の欲望を満たすために使われるようになったという
少し考えれば分かることだが、何の変哲もない石から金ができるのなら誰でも使うだろう
「人は愚かじゃ……そして神も……」
「サタン……」
さっきから、何か変だ……