覚醒の予兆
「セオ様、道場はこちらです」
部屋から出てみて案の定何十mもありそうな廊下、金とあかの装飾、鎧や絵、高そうなものが並べてあるけど十分に広い道幅。
「こりゃあ金持ちの家だなぁ……」
呆れと感嘆で出てしまったため息をリドはここはセオ様の家ですよ、と言ってきた
実感わかねぇよな、広いとはお世辞にも言えない家でものが積み上がった足の踏み場もなかった部屋からこんな所
長い廊下からいくつもの角を曲がった先には木の扉が立ちふさがっていた
え、ここに!?と思わずにはいられないほど場違いな扉を見て固まってしまう
「ここからはセオ様おひとりです、どうか気をつけてください、皆の者がセオ様の無事を祈っています。その事をどうか忘れないでください」
リドはそういって深く頭を下げた
扉を開けると木の床が。。
まあだよね、これで絨毯だったら扉に文句言うけどね?
「ようやく来たか、また逃げ出したのかと思ったわ」
嫌味を込めた笑いをしてくる
嫌な父親だ
「それより、呼び出されたので来たわけですけど、何か用がおありで?」
挑発されたら挑発し返すのが礼儀だよね☆
「稽古をつけてやると言ったはずだ」
額に青筋をたてている
「剣をとれ」
足元には木剣が置いてあった
「決闘だ」
……いやいや待って、俺、剣の心得的なのとか何も知らないよ!?突きー!斬りー!みたいな!?え!?知らないし!!
しかし内心とは裏腹に体は剣を構えた
「のぞむところです」
何言っちゃってんだよおれー!!
互いに睨み合ったまま動かない。
「行かぬのなら先に行かせてもらうぞ!!」
カランコロン
間一髪でよけれたけど
耳元でなった風の音が耳から離れない
「う、わ、え??ほん、き」
「剣を拾え!!お前は六年間何をしていたのだ!」
知らないよ!こいつが何してきたかなんて!
俺は……MMORPGで魔剣のレベルを上限のLv.99まで上げたんだ98から99に上がる時のレベルが上がりました通知が来た時は死にそうに嬉しかった
魔剣っていうのは自分の体の中にある魔力を武器に流し込む、そして想像することで使用することが出来るんだ
ヒュンッ
「なにッ」
そして今目の前には剣が浮遊していた
……
ひょっとして俺、魔剣使えちゃったりする??