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魔剣使いの異世界遊戯譚  作者: ゆのよづ
転生
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異世界転生

頬を風が撫でる





「……ん」






目を開けると青い空。



風に揺らぐ緑色の草。



綺麗な空気……


ちょうどいい温度……



「俺……死んだんじゃないの……」











そう。俺は先刻死んだはずだ。



高卒でずっと引きこもってネットばかり。両親にも兄弟にも迷惑かけて、

ついに両親が死んだ時。





兄弟に見放された俺はもう生きていけないと……そう、思って……




横断歩道でひかれそうだった女の子と……黒猫。


小さな女の子が抱いていた青い目をした黒猫を、助けた。



最後くらい、ほかの人の助けになるようなことをしなくちゃと思って、だけど……そのまま止まれなかった大型トラックにひかれて、












俺は死んだ。
















……はずだったんだけどなぁ






でもこうして地面に足をついてたってる。




んー、ここ天国かな?空気がこんな綺麗なの、どこいってもないし





「セオ様!セオ様ー!早く戻ってきてください!皆さんお待ちですよ!」







丘の向こうにみえる執事。






リドだ。





「あれ……なんで、名前……」





いやいやちょっと待て。二三ヶ所つっこませろ。








セオ様?俺?うん。いやいやなんでわかるよ。




待ってる?誰がですか??





……なんで執事って、リドって、わかった??








「セオ様??」




気づくとリドは俺の顔をのぞき込んでいた





「リ……ド……?」






「なにか、あったのですか?」






ありすぎてわかんないですけど?










「何もわからない……」





「それは……」


「セオ兄様ー!!」



突如丘の方から走ってくる白い小さな女の子。



「アリス……」



なんで、わかる、あった事もないのに!




背中を冷や汗がつたう



これは夢??








違うならなんだ。









心臓が縮む……感じ。







「セッセオ様!?」







俺の意識は暗い闇に落ちた。






闇のなか……俺は動けない




執事のリド



妹のアリス




そして俺、セオ……




それ以外は……分からない。
















ここは……どこなんだ……日本では……、そもそも地球……?













旧名 武嶋 勇 (たけしま いさみ)



現名 セオ ……?












……








いくつものことを考えていると上から。この闇の世界に光が差し込んでくる。




(あ、ったかい……)




何故か泣きそうになる











「……ん、」



目を開けると白い天井にアリスとリドが俺の顔をのぞき込んでいた、





俺、よく寝てるな……




「セオ兄様!!」

「セオ様!」




「う……あ……」




なんかもうこんがらがって……




なんも考えられない、そう思った時。













アリスが白い小さな手を俺の頭に乗せて言った。



「精霊よ……汝の迷いを消せ」





すると、



スーッと、何か、抜けていく感じがする




「あ、アリス……ありがと……」




そう言うと


「セオ兄様!戻ってきてくれたのですね!!兄様!兄様……!」




アリスは俺の胸の中で泣きじゃくっている




戻ってきた?それにいまのは……




ガチャ







「……陛下!セレナ様!」




(誰だ……)





扉を開けて入ってきたのは







the王様、って感じの人とブロンズの髪を持った綺麗で優しそうな女の人












「だ……れ……」





そう、言った時、その場の空気が凍ったような気がした












「ぶっ……ー」









なに、







なぐ、った……!?








「あ!???」






「他人に殴られるようなことしてないんだけど!!あんた誰だよ!」







「すっかり性格が……かわって……セオ……ああ……」




女の人が泣き崩れる




「セオ、帰ってきたと思えば親の顔を忘れただと?6年間、どこへ行っていたのだ」












「はぁ……?」













こんな奴、親なわけねえだろ!





俺の両親はもっと……優しくて……




「早く道場に来い。今日は指導をつけてやる」






そういって出ていった無礼な男





早く道場に来い。




何故ですか、知りません。嫌です。行きません。








指導をつけてやる。



なんの。何故。いや、頼んでねえし。








「セ、セオ兄様……」





ん?





「な、に?」








「頑張って、どんな怪我してもアリスが直してあげるから。心の傷も、アリスが……」









下をうつむいてぎゅっと服を握りしめている少女。





俺の心配をして??でもさ、あの……








「どんな怪我をしても??(汗)」








「ああ、セオ……私は……私はあなたの味方……お願いだから……頼ってちょうだい……」








セレ……ナ?て、誰なの……








「あ……の、すいません、あなたは、誰、ですか」









その言葉を言った瞬間、セレナさんは涙を流し始めた









今まで黙っていたリドは苦しい顔をして答えた。





「セオ様は、LOSTロストにかかっているのかも知れません。」











「そん……な……LOST……」






そこでアリスが顔を上げる





「セオ兄様は、アリスとリドのことは覚えてたわ!なんで、母様と父様だけ……」









俺はまた、一人。









周りの人が何を言っているのかわからない。





でも、今、先に進む手段。それは












「アリス、道場ってどこだ。」











あいつのいうことを聞いてやるしかねえ

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