冬の夜、君さえ居てくれたのならそれが何よりも温かい(200文字小説)
2016年初投稿です!
「さよなら。またね」
言ってしまったら会えなくなる様な気がして言えなかった。
彼女もそう感じたのかも知れない。
終電が出た後のホームのベンチ。
「眠くなっちゃった」
そう言って彼女はボクにもたれかかる。
彼女の重たさと温もりが心地いい。
「行こう!」
ボクは彼女の手を取った。
「歩いて帰ろう」
冬の冷たい空気が肌を刺す。
「温かい…」
ボクの手を握りしめて彼女が言う。
この温もりが感じられるのなら、ボクたちはきっと大丈夫。