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LまでP距離あります。



懺悔はあとに書くとして


人権的にアレな表現ですので一応注意。

まあ勘違いって伏線ですので軽く捉えて下さいな。



主人公のクラスキャラ全員考えるほどの暇人っぷりを発揮したけど、中の人はNL苦手な特異な生物なんで全員はきっと出てこないでしょう、そんな独り言。

…ではどうぞ。

「委員長ー、田熊ぁー。料理って得意?」


大谷先生が戻られて暫く経ったある日の昼休みの事。

田熊くんを誘うことに成功した俺と、俺に誘われてお昼ご飯を一緒に食べようとする田熊くんは、クラスの男子に声をかけられた。


名前なんだっけ。関わるのははじめてかな。失礼だけどじろじろ見てやった。

俺より5cmほど高い身長。センター分けしたほんのりと明るい色の髪。黒々としたやや大きなつり目。羨ましい、男前だ。

そんな俺を見た田熊くんが苦笑してこっそり名前を教えてくれた。


「彼は東雲瑛くんだよ。南雲雅史くんの隣の席の。」


南雲くんは分かるよ。南雲くんは授業中ずっと寝てる眼鏡の人。がっしりした体格のおかっぱの人。近くで見たことないけど、顔立ちはいじめっ子風だった。


「南雲と東雲…隣同士なんて運命か何かですか?」


深く意味を考えずに口にしたら、聞いていたらしい東雲くんがきょとんとしたあと、へらへら笑った。


「運命じゃなくて、雅史さんが仕組んだんだよ〜。」


え!?

雅史さんって、南雲くん?

流石の田熊くんでさえ、驚愕を隠せない様子。


「お、お二人は…どういう関係で…?」


気を取り直した田熊くんが訊ねた。

東雲くんは、少し考えてから田熊くんの耳許で、何かを囁いた。

みるみるうちに田熊くんの顔が歪んでいく。信じられない、とでもいうように。


「何が気に入らないのか、雅史さんは言いたがらないけど。田熊は大人っぽいから言っても大丈夫だよね?委員長には言わない♪」


茶目っ気たっぷりに笑うと、田熊くんもつられて苦笑。何それ、子ども扱い!?


「俺子どもじゃないです!」


そりゃこの3人の中じゃ小さいかも知れないけど!いつか悠一さんの身長だって抜くんだもん、お父さんおっきいからっ!


「ありゃぁ、拗ねた。んー、まあいいかなぁ?……あのさ、雅史さんは命の恩人で、何でも言うこときくって言ったらペットにされちゃった。そんなわけで、あの人には逆らえないんだ。……そうそう、二人とも料理上手なんでしょ?料理教えて!」


まるで簡単なわがままをかなえてあげたかのように、あっさりした口調で言ってのける東雲くん。

ペットですか!?


「ペットの命の恩人…?? え?」


混乱していると、ふう、と溜め息をついた東雲くんが少し屈んで、首に下げていたらしいペンダントを取り出すと、俺に見せた。


“master : 南雲雅史”


シンプルにそれだけ書かれた銀色の四角いプレート。もしや首輪ってやつか。

…人権蹂躙じゃないかこれ。

悟った顔でもしてたのか、東雲くんはそれをまた服の下に隠した。


「雅史さん家は確かに一癖あるけど、結構待遇いいんだよ。…まさかここまで好かれているとは思わなかったけど。」


はにかんだ笑顔で、南雲くんに視線を向ける東雲くん。一体何があったか、俺は知る由もない。


「とにかく、本格的に料理出来ないと雅史さんに飽きられちゃうから…。一週間くらいご鞭撻を!」


またかなりの短期集中な…。

料理は褒められて、長所にしたくてしてたことで。人に教えられる程じゃないんだけどな。田熊くんは調理部に入ったから頼れるだろうけど。


「僕は家庭料理くらいしか出来ないよ。必要に迫られてやってたから。部活は?」


さりげなく入部を勧める大物田熊くん。

しかし、東雲くんは苦笑して掌を左右に振った。


「禁止されるから、無断外泊もこれから。」


厳しい、世界だな。

それでもペットでいるなんて、そんなに魅力あるのか。

田熊くんは、若干挙動不審で何か言いたげ。


「…一緒に住んでる?」


小さな声で田熊くんが訊ねると、東雲くんは首をかしげて不思議そうな顔をした。


「まだだけど、もうすぐだし?なんで?飼われてるんだから一緒に住むでしょ?」


これをきいた田熊くんは困った顔を両手で覆い隠した。


(本人が解ってない…。そっちのペットじゃないよ多分!)


そのまま深呼吸すると、心の旅から田熊くんが帰ってきた。穏やかに笑ってるけど、惘れているようにもみえる。


「分かった、引き受けよう。…本条くんも折角だし手伝ってね。僕だけじゃ不安だから。」


「…え、はい。」


田熊くんが俺に話しかけた声に元気がなかった気がするのはなぜだろう。

引き受けちゃって大丈夫なの?


「うわ、時間ない!」


教室の壁にかけられていた時計を見た田熊くんが咄嗟に言った。


「え、うそ。まだ食べてないですよ!?」


そういえばお弁当食べるところだったんだ。どうしよう。東雲くんが平謝りしだした。


「本条くん、しょうがないから次のお昼休みに食べようか…。僕は1限くらい平気だけど、大丈夫?」


「……今朝ご機嫌な悠一さんから貰ったちくわなら…。」


ついでに魚肉ソーセージとかチーズかまぼことか、棒的なおつまみを大量に。

でもここでそれ食べるのは気恥ずかしいってやつですよ。

しかしね、田熊お母さんがお腹空いたなら食べなさい、って言っちゃいましたよ。



席に戻り、田熊お母さんの励ましを受け、腹持ちの良さそうな魚肉ソーセージを取り出す。次の授業……悠一さんじゃん…。

序でに東雲くんの料理の試食でも頼もうかな。


袋を開け、独特なフィルムを割くと桃色のふんわりしたボディーが現れる。

そいつを口に入れようとした瞬間、視線を感じた。


「………………。」


目の前に、ギラギラ光る目が2つ。机に揃えられた手、くるくるの猫っ毛。

ああ。人か。一瞬怖かったよ。夢にも出てくるかと思った。


しかし誰だろう。

どこかで見たような。なんかに似てる。


その子は魚肉ソーセージを凝視している。欲しいのかな?開けたやつあげられないし。……ちくわ食べるかな。

ちくわを取り出して目の前に置くと、ちくわにちらりと目を遣って、今度は俺を見た。

かなり大きい瞳なんですが、乾かないんでしょうか。こぼれ落ちたりしませんよね。


何故か、目を合わせていられなくなって、少し逸らしてみる。すると、目の前の手が伸びて、ちくわを掴んだ。


なおも俺のようすを窺いながら、ちくわの袋を開けてその場でほおばりはじめた。

何かに似てる。


猫だ。(※猫大好き)


かわいい。猫みたいな人このクラスにいたっけ?かわいい 。いいなあ猫。

この子悠一さん家で飼えないかな。


…飼いたい欲求ってこういうことか!


なんとなく分かったような、分かんないような。東雲くんはかわいいってことか。

人それぞれだからなんとも言えないけど。


妙にスッキリしたので、改めて魚肉ソーセージを口に運んだ。



その日の放課後。また同じ場所に集まって、3人で唸ってた。


「それじゃ、問題はまずどこでするかってことだね。調理室は貸してくれないし、僕の家は無理だ。本条くんのところは、先生に訊かないとでしょ?」


上手く仕切ってくれる田熊くん。

その問いかけに、俺は頷いた。


「俺んち遠いし、多分効率悪い。」


と東雲くん。実家のこと言ってるよね。

どうするつもりだ。


「…雅史さんが16歳になったら、二人暮らしになるから、タイムリミットは今月の29日。いけると思う?」


少し不安そうに田熊くんに訊ねる東雲くん。田熊くんはにっこり笑って頷いた。


「そんだけあれば、あとはやる気次第だよ。南雲くんに美味しいご飯食べさせてあげるんでしょ?」


それをきいて、恥ずかしいのか悲しいのか、形容し難い表情で頷いた東雲くん。

流石です、田熊お母さん。


「いま残っている人に、家のキッチン使わせて貰えないか訊いてみる?」


かっこいいよ、田熊くん。

人の為にそこまで尽くせるなんて、きっと君はいいお母さんになるよ。

いや無理ですよね。


しかし、残っている人って…。

松村、女子数名、隅っこの人間(よく見えないけど多分吉良くん)、床に横たわる物体…。


あれだ、みんな暇なんだ。


近くの松村に声かけにいった田熊くん。度胸あるなあ。ぼんやり見てたら、東雲くんが俺に話しかけてきた。


「…委員長ってあいつとちゅーしてたよね。あのあと泣いてたけど嫌だったの?」


あいつって、松村か。てか覚えてたのか。

せっかく忘れてたのに。


「…だって、恥ずかしかったですから。松村嫌いですし。あの人変態ですよ。」


俺の泣き顔や悶えている顔が好きらしいし。

そういうのはね、されて喜ぶ人にしないと。吉良くんとか!


「…愛されて羨ましく思ったけどな。」


苦笑して、独り言のように呟いた東雲くん。少し悲しそうな声音だった。



田熊くんが頭を抱えて戻ってきた。

難しい顔している。


「…本条くん、彼は止めとこうか。使用条件が君の手料理食べたいって。」


深刻な話かと思えば、変態のわがままか。

しかしそれくらいの犠牲で済むなら喜んで。


「構いません。それくらいなら普通です。」


田熊くんも頑張ってる。俺も頑張らねば。


「悪いね、ありがとう。(普通…?)」


東雲くんは、うるうるしながら微笑んだ。

きっと彼のこういう所が気に入って、南雲くんは飼いたいって思ったんだろうな。


「二人とも、ホントにありがとうっ…!」


複雑な人だ。

多分、東雲くんは凄く南雲くんの事が好きなんだ。ここまで尽くせるんだから。

でも、南雲くんは“飼いたい”。

人権的に有り得ないけど、愛であるといいなあ。




「……松村、手料理って何がいいの…?あ、………な、何を作ればいいか困るだけであって、お前の食べたいものを作る訳じゃないからな…。」


俺達は二組に分かれて調理することになった。松村と俺、東雲くんと田熊くん。

やだああああああ…。

というか、なぜ混ざる松村。

"面白そうだから"ってお前、キッチン借りたらもれなく松村夕夜オプションはないでしょ!?


……とにもかくにも現在食材調達中。心のオアシスとは別行動。呉越同舟中。

俺を含む四人は近くのスーパーに来ていた。


「そうか、うん。…あの条件なんて、お前と一緒にいるための口実なんだけどな。…ダメ元だったし、作ってくれるってだけで嬉しいな。……ありがとう。」


先程の問いかけの答えは意外なものだった。う、調子狂います。ばかなの?


「……あ、ありがとうなんて料理ないよっ!ばかぁ!」


照れ臭くなって、何言ってんのか分かんないまま、俺は松村から距離をおいた。因みにスーパーのかごを持っているのは俺だから、単独行動は出来るって言う寸法だ。なかなかいい作戦だと思う。


「…瑞季、ありがとうって料理がないのなら、お前が作ればいい。料理得意なんだろ?」


追い付いた松村が背後からそう言った。

不思議と嫌ではなかった。

でももうちょっとおどけてくれると助かったんだけど。


普通に感動してしまったんだ、ありがとうって料理に想像力を掻き立てられ、真剣に考えてしまうほど。

言い出したのは自分だったはずだ。

頭の隅では分かってる。

苦手だと言う男に作ればいいと言われただけ。



誰かに頼まれた、それだけ。




「…これだけじゃ、きっとまだ曖昧だ。…松村、協力してくれる?


何かいいこと思い付いた気がする…。」


振り返ってそいつにいった。

驚いたような、訳のわからないような顔。

でもすぐにいたずらっぽく笑って


「いいよ。」


頷いた。




はい、ごめんなさい。続きます。

最後無理矢理でしたね。

国語力というかセンス皆無ですみません。

おつまみ棒的なものですみません。


ちょろっとネタバレしちゃうと

ちくわの猫似の人は横たわってる物体で、名前は藤田って言います。



キャラ紹介に需要あるかどうか聞きたいけど、そんなにキャラもいないので保留にでもしときます。

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