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ズンは、所詮ズン。

「現在の状況を報告せよ」

年老いてはいるが

大柄で筋肉隆々の男が命令した。


「はっ!まだしばらく

 かかる模様でございます」


「貴様…確かモーホとか言ったな、

 この私が自ら手を下してやろうか」


「ありがたきお言葉、

 されど、私は若輩者の身より

 身に余るかと…」


「そうか、それは残念」


「では、私はこれにて」


「あぁ」

モーホは部屋から出ていった。

男は机に肘を付き、


どうすれば、やれるのだ…?


と、不明な事柄を考えていた。







所変わって、亜鉛高校。

チャイムが鳴り響いている。

どうやらこの日の授業は

全て終了したようだ。


「まずいズン」

ズンの顔が青冷めている。


「どした?

 ついに酸化する気になったか?」

と、it


「来るズン!」


「なっなんだと!

 ついに地球の破滅が起きるのか!?」

明らかな、おふざけ口調で話すit

しかし

ズンの耳には入っていなかった。







ガラッ!


教室のドアが開けられた。



続いて、

ズカズカと男が教室に入って来た。


「はい、亜鉛とitは

 ホームルーム終わったら

 職員室に来い!」


…ここの先生だった模様。要調査。


「ある意味、破滅だ…」




――――放課後。


ズンとitは職員室の前に立っている。


「行くズンよ?」


「お、おう」



「早めに終わらせろよ」

その声の主に

ズンは耳を疑った。


なんと

ルームシェア仲間が勢揃いしている。


「…it、提出物は

 ちゃんと出せよ」


何か聞こえる…。


「みんな…ボクの事を

 待っててくれるズンか?

 今までそんなこと一度も無かったのに」

軽く涙目になるズン。


「・・・はい。

 すいません、先生」


また何か聞こえた。


「よしit、いくズンよ!」

意気込むズン。

さながら

ヒーローの映画の1シーンのようだ。



ガラッ!



と、職員室から

itが出てきた。


「え?俺もう終わったけど?」


「ズ…………ン」

どうやら、彼はヒーロー映画の中では

雑魚敵の一人だったようだ。


「じゃ、帰るか」

それに賛同する一同。



イラッ…!


「怒ったズン…。

 くらえッ!亜鉛ブレー……」

「お前はコッチだ!」


どこからともなく伸びて来た右腕が

ズンの頭を捕らえた。


「ギャアアアァァァァァァ!!!!!」


彼は職員室に引きずり込まれて行った。


「ご愁傷様…

 まぁでも・・・、

 ズンだからいっか」



のきしたの言葉は

そこにいる全員をうなずかせた…。










―――――秘密機関、更衣室

「絞られるだけ絞られたズン…」

彼は仕事着に着替えている。




「お、ズンじゃん」


…なんて言う人間はここにはいない。


彼はとことん嫌われているから。


しかし何故かは誰も知らない


とりあえず、ズンを嫌う。


Aさんの証言によると

こういうことらしい。


「よくわからないけど

 とりあえずズンは嫌いなんだよね

 理由?バカ言っちゃいかんよ。

 彼を嫌うのに、

 理由なんているのかい?」



ついでにBさんの意見も…


「やめろズンッ!」

ズンが叫んだ。


よほど悲しんでいるみたいだ。







…………………。


「さて、今日の米は…っと」


本部内に設置されている

モニターの画面に触れた。


すると、


指紋認証ーcompleteー


と、画面に現れたかと思うと

続いて、

1人の男の顔写真とその経歴、


今現在どこにいるかを

リアルタイムで表示している。



これによると、

男は現在、伊東自動車道を

亜鉛車で南下中だそうだ。


「亜鉛車…、装甲車の一種ズンか。

 そんな車使ったら

 目立ってしょうがないだろうズンに…

 敵組織は一体

 何考えているんだろうズンか」


そう独り言をつぶやきつつ

ズンは外へと歩き出した。




―――――亜鉛自動車道

何十もの車が行き交うこの道路。


その中には

ズンの標的になっている車もあった。




「我らは

 完遂せねばならない…」


運転手の男は何事かを

つぶやいている。


「我らは…、我らは…」


何度も何度も同じことを

つぶやいている


よくみると、この男、

目の焦点が合っていない。


何者かに

操られているのだろうか…?






「あれズンね」

亜鉛車の後ろに

ズンが追いつくことに成功。


なんと、驚くべきことに

ズンは自身の足のみで

亜鉛車に追いついている!


亜鉛車の現在の時速が

30km/hに対して

ズンの現在速度が

なんと65.4km/s!!



…もはや人を超えている。


というか、人じゃなかった、彼は米だ。



…それはさておき、


ズンは、頭から

白い刀状のものを取り出した。


「ボクの愛用武器、

 デンプンソードをくらえ!!」


ズンはそれを亜鉛車の

タイヤへと突き刺した!


「ウオォォォォォ!!」



無駄に迫力がありそうで

実はまったく無い

ズンの咆哮とともに

タイヤを見事に切り裂いた!





アスファルトと車輪との間の

クッションが消えたとたん、


車輪から火花が飛び散る!




やがて車輪さえも外れ、

バランスを崩した車体は、


派手な音と豪快な火花を

撒き散らしながら横転し、


停止した。






「はぁはぁ…、

 やったズン」


…ズンごときにこんな簡単に

亜鉛車を壊させていいのだろうか?



「ん?いま何か

 聞こえた気が…?

 気のせいズンか?」





ユラリ・・・、




「ズン!?!?」




運転手と思われる男が

車内から姿を現した。


頭からは

大量の血液が流れている。


なのに痛がる素振りを

まったく見せていない。



ゴクリ・・・。




緊迫した空気が

その場に満ちている。




すると、

急に男はドサッ!と

その場に倒れた。


まるで、糸を切られた

操り人形のようだ。


「なにが…?

 でもとりあえず、

 任務は完遂したズン」

ズンは

通信機器のスイッチを入れ

本部と連絡を取ろうとした。






と、突然ズンの真横に

光が現れ始めた。


その光は徐々に形を変え

やがて

いつもの運び屋が現れた。


「いつもより

 対応が早いズンね

 今日は一体何が…」




何か様子がおかしい。



現れた運び屋は

頭から

血を流しているではないか!



「だ…めだ、

 本部…と連…絡を

 取っ…てはいけ…ない」


運び屋の弱々しい声が

ことの重大さを

物語っている。



「どうしたズンか!?

 何があったズン!?」




「奴らが…」




ザシュッ!!




収束しかけていた光から

突然ヤリが飛び出し、

彼のケツを貫いた!




「ああぁぁぁ~!!!」



運び屋は断末魔の叫びと共に

命を失った。



ズンは

運び屋のケツに

突き刺さったヤリを

抜いてやった。





「これは…」


ヤリは男性の陰茎と

全く同じ形をしており、

最も先端に・・・、



「モホホ団…?」



と、記してあったのだ・・・。

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