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傀儡

すっかりアキラの傀儡(かいらい)にされたヒミコは

大学内を歩いても、もう人だかりは出来ない。

それどころか道が勝手に空く。

市子の友達や女性がコソコソっとお礼に来るぐらいで。

広告研究会のヤリサー達は泣きながら自ら携帯を壊したり踏み付けていたらしい。

で女の子達に土下座して許しを請うたり。

背後霊だけでなく生霊の父母らにも、所業は筒抜けとなり

休学の手続きや留学してしまう学生も。

ヤリサー達の野卑な女遊びの画像が、母や父の目にも

感覚まで伝わったらしい。

我が子を思う親ほどヒドい画像を味わう事に。

寝込んだ母親まで居たらしい。


黒塗りの高級車から、運転手にドアを開けられ立派な紳士がヒミコに会いに来た。

広告研究会のリーダー九条公彦の父親だ。

「ちょっと!アキラくん!どうすんのよ〜」

ヒミコが後ろに控えるアキラに泣き言を言うが、すまし顔でシカトされた。

九条は、深々と頭を下げて詫びる。

「不肖の息子が、とんでもない事をしでかしたようで

本当に申し訳ない!

今、調査中で被害者の方には個々に伺っているのですが…

ヒミコ様もどうかお許しいただけたらと。」

「私ではなく警察に行かれては?」

と言うしかない。

「はい、それはすぐに警察に相談しましたら、被害者の方と示談和解が成立しない場合は立件すると」

「…罪は罪ですよ。」

「承知してますが、愚息にも未来があります。

私でできる事はしてやろうと」

「女性達の未来は摘んだのに?」ちょつと美鈴がピキる。

「被害者の方は、皆卒業就職まで保障させていただきます。私どもで出来る限りの事は…

それでも許していただけないなら息子は警察に預けようと思います。」

ふと、母と妹の市子の顔が浮かぶ。

ウチはどうするんだろ?

「私は部外者なので、何も言う権利は無いです。

失礼します。」

ヒミコはモヤモヤしながら、その場を去る。

後ろには頭を下げ続ける九条の父親の姿があった。


授業の合間に買ったサンドイッチをベンチで食べる。

何か食堂に居づらくて中庭に逃げてきた。

アキラもヒミコも何も話さない。

見波がハラハラと2人を見ながら言う。

「解決したんじゃない?」

「そうかな?解決したのかな?」ヒミコは遠くを仰ぎ見る。

「妹は…元に戻るかな?」

「さあな、お前と違って繊細そうだもんな。」

静かにみぞおちに拳を入れる。

「グッ…」アキラが静かに耐える。


自宅に戻ると母と祖母祖父も神妙な表情をしていた。

本人は部屋から出ずじまい、示談の話をしても返答は無かったらしい。

九条本人を今度連れてくる事になったらしい。

部屋に戻ると市子の部屋の方向の壁に御札が貼られてる。

母が貰って来てくれたのだろう。

が、新しいはずなにの黒くすすけてる。

美鈴は霊感とか全然無いタイプだが、それでも

良からぬ気配をひしひしと感じる。

「このままで良いんだろうか?」


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