表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

保育士リカの実夢体験①~マイルドヤンキーの怪~

あの世とこの世を行ったり来たり

夢なのか、現実なのか

これは私保育士リカが実際に体験した世にも奇妙な夢物語


あなたの夢はもしかすると

あの世とつながっているのかもしれません。

幼い頃から他人が見えないものが見える私は、毎朝お寺で手を合わせて仕事にいく習慣がありました。


その日も、同じ様に家を出ていつもの道を急いでいると、住宅街にある電信柱の近くに白いワンボックスカーが停まっていました。いつもとは違う景色に(おかしいな?)と感じながらも前を通りすぎると、スライド式の扉が開いていて見ると、後部座席にタオルに包まれた赤ちゃんがそのまま置かれ眠っているではありませんか。


(かわいい赤ちゃんだなぁ、だけどこのままで大丈夫かしら?)と思ったのも


実は私、保育の仕事についていまして、赤ちゃんが不用心にチャイルドシートにも乗らずに置かれているのも扉が全開なのも心配になり少し失礼かとは思ったのですが、その赤ちゃんを見ようと体を半分車内に入る形で赤ちゃんを見ようとしました。そしてその瞬間、バタンッという音と一緒に、誰かに背中をウワッと押され、倒れる様に車内にのりこみ扉がそのまま閉まってしまったのです。


慌てて私は(まずい早く降りてしまわないと)と、運転席を見ると助手席にいる気の良さそうなロングヘアでソバージュがかかっているお母さんらしき女性と短髪で上下黒っぽいジャージのお父さんらしき男性に向かって、こう言いました。


「すみません。赤ちゃんがかわいくてつい覗いてしまって、すぐに降ります。」

するとその言葉を聞いて、

「いいから、いいから」

焦る私に、お母さんが振り返り私の方をみてそう言いました。


「すみません、すぐに降ります」

もう一度、そう言うと今度は、お父さんの方が

「いいから、いいから」と、答え

車のエンジンをかけ猛スピードで車を走らせました。


(これは、もしかしたらどこかに連れていかれてしまうパターンなのかも)人は外見では判断してしまってはいけないとわかっていましたが、彼らのマイルドヤンキーな風情が心配になり(でも、こんなにかわいい赤ちゃんも一緒だから焦らずに穏便に話をすすめよう)と、急な発進で飛び落ちそうになる赤ちゃんを抱え伝えました。


「すみませんここでおります。赤ちゃんも危ないので」

と、お母さんに赤ちゃんを差し出しながら言うと、


母親は、もう一度にこにこしながら

「いいから、いいから」

と・・・


怖くなりながらも悪いように考えないように(もしかしたらこの人達は、お寺まで送ってくれるのかもしれない)と思い


「あのー、私今からお寺にお参りに行こうと思っていたのです。その先の角を曲がると、お寺につくのでそこで降ろしてください。」


と言いました。


するとふたりは振り返って無表情になり車は猛スピードで走りました。降りたかった角を過ぎて、私は焦りながらもう一度、


「すみません。急いでるので、すぐに降ろしてください」


そう言うとあの笑顔は無くなり

「いいから、いいから」と二人そろって静かに言うのでした。


怖くなって一刻も早くこの場から立ち去りたかったのですが、走り出す車のスピードもどんどんと速くなり車は右へ左へと、揺れるので赤ちゃんをしっかり抱えている私はもうどうすることもできずにおりました。


車は揺れながら細道を右にまがり走り抜け、横にある田んぼ道を出ると大きな道路に突き進みました。ものすごい速さで走る道の上には高速道路があり、たくさんのチェーン店が立ち並ぶ国道沿いで今までは1台も無かった車も、たくさんの車と合流し走り抜けます。


車のスピードは、ますます早くなります。私は、赤ちゃんを抱きしめながらお寺から離れていってしまい自分の知らない場所に続く道を見ながら涙が出てきてしまい赤ちゃんの顔を見るとハッとしました。


私がしっかり抱いていた赤ちゃんは、土色の顔をしてすでに息をしていない状態だったのです。びっくりして、二人に

「赤ちゃんが!赤ちゃんが!」と叫ぶと

今度は、ものすごい怒った顔で

「いいから、いいから」と怒鳴ってこちらをにらみつけました。


怖くなってこちらも大きな声で赤ちゃんを抱えながら言います。

「お寺にお経をあげに行きたいんです。」と叫びます。


すると、二人の表情がパッとかわりお母さんが振り返り無表情で

「私たちは、あの電信柱からこの道まで毎日、毎日、毎日、毎日・・・」

と悲しそうに言いました。


もしかしたらこの人達は、この世の人ではないかもしれないと私はようやく気がつき、赤ちゃんを座席に戻して手を合わせてお経をあげ始めました。お経をあげると、車のスピードはさらに強くなり車は走り続けました。そして走り続ける車は、ぶつかりそうになっても反対側から走る車も障害物も通り抜けすり抜けていくので、やはりこの車はこの世のもので無いのかなと実感し私は異世界に入ってしまったのを感じました。


お経が終わりかけた頃、横に原付のバイクがぴったりと寄り添って走ってきました。怖さの中で目を凝らしながら見るとそのバイクの後ろには優しそうな老婆がついていて原付と車がぶつかる瞬間、ものすごい明るい光に包まれてお婆さんは親子3人をどこかにつれていき、私は目をさましました。


夢だったのか・・・


妙にリアルなこの夢は、あの世とこの世の世界をつなぐ入り口だったのかもしれません。

後書き

この話は、あくまでも夢の話しですが、妙にリアルで気になったので目が覚めてすぐに書き留めました。後日、この日に地元の友人がバイク事故で亡くなった命日だったのを後から別の友人から聞き不思議な感覚がいまでも続きます。

この話は、あくまでも夢の話しですが、妙にリアルで気になったので目が覚めてすぐに書き留めました。後日、この日に地元の友人がバイク事故で亡くなった命日だったのを後から別の友人から聞き不思議な感覚がいまでも続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ