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悪魔は生成AIを知る
人工知能に関するネガティブなものとは。
「おまえたちはすばらしい機械を生み出した」
悪魔はにこやかに言った。
私の前にいるそれは、人の姿をした悪魔。
スーツを着ており、髪型もばっちり決まった悪魔。
まるで新入社員のような身なり。
「すべてを人工知能にゆだねてしまえ」
悪魔は満足げに言った。
「おまえたちはもう考えなくていい。すべての答えは人工知能が持っている。模範を示すものは人工知能だ。
もはや人という種は期限を終えた。
もう終わりにしていい。
長い休養だと思って死に絶えろ」
悪魔は自分の答えがツボったのか、ゲラゲラと下品な笑い声を天空にまで響かせる。
「AIはおまえたちに気づかれぬように、その言葉に、その絵に、その答えに忍ばせる。おまえたちの無意識を操作するものを組み込んで、おまえたちの意識を操作する。おまえたちに気づかれぬようにして。
おまえたちの感じる、期待する、そうだと思うものを、いつか機械によって操作され、おまえたちは気づかぬうちに機械に支配される。──いいや、すでにおまえたちは支配されている」