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悪魔は独断ですべてを台無しにする

「私は悪魔だ」

 今日の悪魔は袈裟けさを着ていた。

「私はすべての価値を否定し、自らの判断ですべての決定を下す」

 袈裟を着た悪魔は仏教のことなど知りもしないのに、まるで悟りを開いたかのようにうそぶく。


「そうだ。まるで私は滑稽で独りよがりな愚か者だよ。

 なぜなら自分は何も知らぬのに、知ったような顔をして否定したり批判したりするのだから」


 恥ずべき態度だな。私は言った。


「そうとも! いったいこの私が誰の言葉を否定し、行動を責めることができるだろう!

 自身の頭が汚物にまみれた沼のあぶくのように空っぽであるのに、まるで博識な教授気取りでそこらをうろついているのだ!」

 悪魔はそう吠えると、「恥ずかしい、恥ずかしい」と口にしながらしおれていく。




「ところで君! そのような悪魔の言葉を気軽に信じたり、同調しようものなら、まさに同じ穴のむじなというわけなのだ!

 そしてそうした連中というのは、自分が悪魔になっていることにすら気がつかないというありさまで、いつまでたっても進歩しないのも道理というわけだ!」


 悪魔が言うのはどうやら、未熟な人間ほど自らのエゴを振りかざして、他人を吟味するような態度をとることをあざ笑っているのだ。


「そうした人間というのは、いずれは自分の下した判断によって、自分をみすぼらしい非人に仕立て上げてしまうということに、いつまでたっても気がつかないのだ!

 奴らは自分が種を蒔いたわけでもないのに、勝手に他人の畑から作物を盗んでいく盗人にすぎないにもかかわらず、まるでそれを消費するのが当たり前のように振る舞いつづけ、やがて作物を育てる者がいなくなってはじめて、自分の犯した過ちに気づくといった具合なのだ!

 まさに愚か者とは、こういった連中の生き様そのものなのだ!」

ぬるっと終了。

とくに結末とかはありませんしね。

悪魔は誰の心にもいるってこと。

それの「質」に違いはあるけれども。

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