表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/119

かぐやと月の伝説

「なかなか、やるな」

リファルは、希空の行動に感心していた。

妖術を使えないリファルもエルタカーゼも、この世界では、ただの足手纏いになっていた。

どこまでも、続く緑に世界。所々には、深い穴がある。幾つもある、深い穴の中には、色とりどりの鳥達が舞い、別の世界に来た実感が湧いてくる。

「空を飛べないから、確認できないけど、このクレーターは、あまりにも、多すぎると思わないか?」

あちこちと、動き回っていたリファルが言う。

何も、役に立てない皇子では、あるが、彼なりに探索していた。

「クレーターは、だいたい、隕石が落ちてできたと聞いています」

上から、垂れてくる蔓科の植物が気になり、エルタカーゼは、どこから、垂れて来るのか、引っ張る事に、夢中だ。

「隕石が衝突したのか・・」

リファルは、地質が気になっている。

「何か、気になりますか?」

「僕らが、どうして、地上ではなく、冥国にいるのか、知っているのか?」

「はて・・・どうして、そんな事を?」

「ずっと、気になっていたんだ。この世界」

「会話になっていませんが」

「見ろよ。夜が来る」

瞬く間に、陽が落ち、星空が広がっていく。

「別の世界に落とされたと、思っていたが・・・思い出したんだ。この景色」

「思い出したって?」

「この時空は、太古。我々が、地上を捨てた時間だ」

「時空が違うって?」

「古城は、幾つかの、時空を持っている。それを司るのが、あの自量師 創宇だ。」

「どうして?我々を、この時空へ?」

「簡単だよ。この時空に飛ばすしか、なかったんだ。桂華が、来てはいけない時空だ」

「どうしてですか?」

「降ってきたのは、隕石だけでなかった筈だ」

「何が、降ってきた?」

「六芒星がどうしてできたのか?それを考えていたのさ」

「獣神達と咲夜姫ではないのですか?」

「咲夜姫は、どこからきたんだろうな?」

「神女と聞きました」

「隕石が、どうして、降ってくると、予知できたのか・・」

「リファル様は、どう考えるのですか?」

「六芒星を作った咲夜姫は、この地上の人間ではなかったんだ」

「どこから、来たのですか?」

「あれだよ・・・」

リファルは、真っ直ぐに指差す。

その先には、深く落ちた闇の中で、輝く大きな月があった。

「月ですか?」

「あぁ・・・全く、僕らとは、違う世界の生き物さ」

その時、どこからか、創宇の笑い声が聞こえた気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ