非力な冥府の番人
希空は、手に一杯の一匹の怪鳥を捕まえていた。
「まずは、食べないとね」
リファルとエルタカーゼに投げつけてくる。
「この世界に、私達以外に、生き物がいるとは、思わなかった」
そう言いながら、怪鳥の羽をむしり出した。
「調理、できる?」
呆気に取られていたエルタカーゼは、慌てて、返事をする。
「も・・もちろん」
魔術で、火を起こそうとするが、思うように出ない。
「?」
目線を合わせると、リファルが、首を振る。
「火がでない?」
「人間ではないと、思っていたけど」
希空が、2人を見て言う。
「私を閉じ込めて、運んだり、世界が違う人だと思っていた。けど、魔術も使えないの?」
希空は、大袈裟にため息をつく。
「冥府から来たんでしょう?」
「冥府を知っているのか?」
エルタカーゼの片眉が、跳ね上がった。
「知っているかって?散々、そちらの袖の中で、話は聞かせてもらったわ」
リファルは、大袈裟に両手を挙げた。
「希空君・・・僕らは、ここに来てから、大変な事実を知ったんだ」
「何かしら?」
この女性は、逞しい。もしかしたら、冥府の花嫁は、こちらの方が向いていたかもしれない。
リファルの言葉を無視して、希空は、火を起こすことにした。
「ここに、着いてから、違和感があったんだ」
「違和感?わかりやすく、言ってくれない?」
「え・・と。」
これを言うと、自分のメンツが崩れると思ったのか、言葉が出ない。
「魔術が使えないって事?」
「そう・・・なんだ」
希空が、はっきり言うので、リファルは、何も言えなくなった。
古城から、この世界に落とされてから、力が、抜けて行くのを感じていた。
「火も、起こせないの?」
「はい」
希空の剣幕に、リファルは、小さくなった。
「こんな事、初めてですよね」
「う・・ん」
自分の国から、出て行っても、魔術が使えないなんて事はなかった。
過去に遡る古城に於いても、それh、変わらないと思っていたが。
「とんでも、ない事に巻き込まれましたね」
エルタカーゼは、ため息をついた。
国外に出ても、皇子を守る事が、自分の役目だったが、深い追いし過ぎて、
危険な状況に飛び込んでしまった。
「ここは、どこですかね」
魔力が消えて、エルタカーゼは、すっかり、気弱になっていた。
「古城でない事は、確かね」
希空は、集めてきた枝を器用に折り、羽をむしった怪鳥を、焼く準備に入っていた。
「そこから、どうするんだ?」
リファルが、そう言うと希空は、ニッと笑い、胸元からルーペを取り出した。
「ルーペ」
エルタカーゼとリファルは、顔を合わせた。
「目が見えないんで、いつも、持っていの」
乾いた藻に近づけ、火おこしを始めた。
「たくましい・・・」
思わず、惚れ惚れするエルタカーゼだった。