表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/119

あの日に雪山で、起こった事。埋もれる事実

あの日に起こった事。

シマエナガの魂魄をもつ苔玉。いや・・・山神、陸鳳の侍従は、まだ、癒えない傷を持つ主を案じていた。

山を降りる事はできない。

陸鳳の留守の間、神が住む山、神出三山の山麓は、苔玉が守らなくてはならない

古い山岳信仰の山々。

太古の大昔は、火山爆発を繰り返す恐ろしい山だった。

羽白山、月の山、湯姫山は、神出の国を東西に分ける大きな山々で、遠く杜の都を見下ろす山々であった。

そのお山は、数々の修験者が訪れ、霊場としての地位を築き、参拝者の絶えない山となっていた。そのお山では、羽白山では、現生を月の山で、死後の体験をして、湯姫山で、命を頂いて生まれ変わるという、類まれな神山であった。

その山神である陸鳳が、8年前、消滅しかかった事件があった。叔父の葬儀の為に訪れた桂華と逢ったその日の事だった。

侍従のシマエナガ。苔玉(陸鳳は、そう、読んでいる)は、何が起きたか、知らない。

「あの時は、酷い怪我をしてな・・・」

大獅子の父親は、苔玉の祠を訪れていた。

「人間の女に、関わるからだ」

苔玉は、面白くない。

勝手に、主人が山を捨てた事が腹ただしい。

「弟が、おるだろう」

「弟?」

そう言われて、頭が、カーッと来た。

「人間との半神に、正当な権利がある訳がない」

ぷんぷんと、ますます、まんまるになって怒り狂う苔玉に、大獅子は、引いてた。

「狐達は、それで、いいかもしれんが、我々、狼の一族は」

「お前は、狼でなかろう」

「代理とはいえ、代々、続いてきた山を守る義務がある」

狐の大獅子は、吹き出しそうになる。

「とはいえ、杜の都に行く事は、許したんだろう?」

「あぁ・・・。杜の都には、行かなくてはならないと、譫言のように繰り返していて」

「あの人間の女の子を助けに行ったと聞いたが、その女の子は、どうしているんだい?」

「何があったんだか・・・その女の子も、記憶がなくなっていてな」

「お山の中で、何が起きたのかは、誰も知らないのか・・」

大獅子の父親は、眉間に皺を寄せていた。

「何かが、起きている。あの六芒星を取り巻く環境が変わっていってるんだろうな」

苔玉は、心配なのか、落ち着きなく、うろうろし始めていた。

「そんなに、心配なら、行ってみたら、いいだろう」

大獅子g、そう言うと、苔玉の表情は、一気に明るくなった。

「いいのか?本当に?」

「いいだろう。」

大獅子は、苔玉に化けて見せる事にした。

「だが・・・」

苔玉は、小さいので、サイズ的には、無理がある、偽の苔玉が出来上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ