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冥府の花嫁を諦めない

突然、桂華を奪われてリファルとエルタカーゼは、愕然としていた。桂華の親友を人質に取ってはいるが、桂華の様子では、助けに来るには、時間がかかりそうだった。

「いろいろと面倒な事になりました」

エルタカーゼは、リファルに言った。このまま、国に帰るのが得策と考えていたが、何か、能力を持つ桂華をこのまま、逃すのは、惜しい気がした。

「このまま、帰りましょうか。獣神が出てきたり、何やら、面倒な事が起きそうですよ」

「このまま、手ぶらで、帰れと言うのか?」

リファルは、憤慨した。

「六芒星の陣が、壊れそうだと言っていたな」

リファルは、栗鼠の姿で、創宇に囚われていた時に、創宇と伊織の会話を聴いていた。

「この国には、あちこち、陣が敷いてあるが、一つでも、崩れると、他の陣も破壊されてしまうようだ」

「私達に、関係ありますか?」

「気になる事があってね」

「気になる事?」

「気が付いたんだけど」

リファルは、コホンと咳払いをした。

「我々の死相感と似ている事がある。この陣は、方角を獣神が守っているが、それぞれに役割がある。私を捕まえたのにも、理由がある。」

「栗鼠に化身したリファル様を?」

「創宇は、鼠を探している。六芒星の陣を支えるからくり箱の中の、鼠が逃げ出したのだ」

「リファル様をその鼠の代わりにしようとしたのですか?」

「そこまで、、追い詰められていたのか?」

「外に、何か、聞かなかったのですか?」

「六芒星の中心、古城の底に、何か、あるらしい」

「何か?」

「黙って、素通りはできない事だよ」

「リファル様の興味のある事ですか?」

「桂華よりね。彼女を連れ帰りたくなった」

「彼女?」

「素晴らしいよ。こんな所で、彼女に会えるなんて」

リファルの双眸は、輝いていた。



伊織は、渋々、創宇の名に従い、菱王が集っていた社に、駆けつけていた。が、時は、遅く、そこに、菱王の姿はなく、大獅子の蒼羽と噂には、聴いていた山神の陸鳳が、居るだけだった。

「誰かを探していたのか?」

三つに分かれた尻尾を持つ大獅子に声を掛けられた。真実の姿は、獅子等ではなく、狐神だと創宇から、聞かされていた。両腕からは、炎龍を放つが、それは、本物ではなく、偽の炎龍とも聴いていた。本物は、獣神であっても、致命的な重傷を負う。

「仲が悪いと聴いて、いたが、今は、そうではないのかな?」

山神の陸鳳は、記憶を無くすほどの重傷を負ったと聞かされていた。その原因は、大獅子のあると聴いていたので、両者が揃っている事が、意外だった。

「いや・・仲はよくない」

陸鳳が、先に答えた。

「だけど、目的の為なら、協力する事もある」

「目的?」

2人の目が、自分に注がれているのに、気が付いて、伊織は、身構えた。

「私は、お前達に用はない。探しているのは、別の者だ」

「別の者。冥府の栗鼠華?それとも、菱王か?」

「鴉か栗鼠か?」

二人にそう問われ、伊織は、更に言葉に詰まった。

「栗鼠なんだな」

陸鳳はそう言うと、伊織に飛び掛かっていった。

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